りんごびょう

りんご病

(伝染性紅斑)

最終更新日:
2020年07月08日
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2020/07/08
更新しました
2017/04/25
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概要

りんご病とは、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。りんご病の由来は、頬がりんごのように赤くなることからきています。このウイルスに感染すると10~20日の潜伏期間を経て、両方の頬に紅斑と体にレースや網目状の赤い発疹が生じ、続いて腕や足にも同様の発疹が現れます。発疹は真っ赤で周囲との境界がはっきりするという特徴があり、伝染性紅斑とも呼ばれます。

通常は小児の間で流行する症状の軽い感染症ですが、大人が感染すると、関節痛や頭痛などを生じることがあります。また、妊娠初期に初めて感染すると、胎盤を通して胎児にも感染し、流産、死産や胎児水腫(赤ちゃんがむくんでしまう)になることも知られています。

原因

りんご病はヒトパルボウイルスB19に感染することによって引き起こされます。

ヒトパルボウイルスB19は接触感染と飛沫感染によって感染が広まり、幼稚園や保育園、小学校など小児が密な集団生活を送る場で流行します。なお、通常は一度感染すると免疫ができるため、二度目以降に感染したとしても症状が出ることはほとんどありません。

症状

りんご病は、ヒトパルボウイルスB19に感染して10~20日後、両頬の紅斑と体にレースや網目状の真っ赤な皮疹が見られるのが特徴です。皮疹はその後、腕や足などにも左右対称に広がりますが、痛みやかゆみなどは伴わず一週間ほどで痕を残さず自然に消えていきます。

また、これらの発疹が現れる一週間ほど前に37℃台の微熱や倦怠感、喉の痛み、鼻水など、風邪のような症状が出ることがあります。しかし、これらの症状も特に治療をすることなく自然に改善することがほとんどです。

一方、大人になって初めてヒトパルボウイルスB19に感染した場合は、頭痛や関節痛などが生じるケースがあります。特に妊娠初期に初めて感染すると胎児に影響が出ることがあります。またまれですが、血液の赤血球が壊れやすい病気の人は、感染すると急激に貧血が進行して具合が悪くなることがあります。日本人では、遺伝性球状赤血球症という病気でみられることが多いです。

検査・診断

りんご病の確定診断は、血液中にヒトパルボウイルスB19に対する抗体(ヒトパルボウイルスB19を攻撃するたんぱく質)の血液検査が行われます。特に感染してからすぐに産生されるIgM抗体を確認します。

一方で、指定医療機関でりんご病を発症した患者がいる場合は、感染症法によって届け出義務があります。その際、厚生労働省は、“左右の頬に赤い皮疹があること”、“腕と足にレース状の皮疹があること”の2つの症状があれば検査をしなくてもりんご病と診断してよいとしています。このためりんご病を診断するうえでは必ずしも血液検査が行われるとは限らないですが、妊娠初期の場合には胎児に影響が出るために検査されることがあります。

治療

ヒトパルボウイルスB19に対する抗ウイルス薬などは現在のところ開発されておらず、りんご病を発症した場合は、それぞれの症状を和らげるための対症療法が行われます。

具体的には、喉の痛み、発熱に対する解熱鎮痛剤などに薬物療法が行われます。ほとんどのりんご病は症状が軽いか、症状がないこともあるため自然に治るのを待つことがほとんどです。

予防

りんご病は頬に皮疹が生じる段階では、感染する心配はほとんどありません。皮疹が生じる前に現れる風邪症状のあるときがもっともウイルス量が多く、感染力があるとされます。りんご病と診断されるのは皮疹が出てからなので、感染を避けるのは困難です。りんご病が周囲で流行している時期、特に妊娠初期の人(妊娠20週未満)は、手洗いなどの感染対策や子どもがたくさんいる場所を避けるなど注意が必要です。

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