へんけいせいしつかんせつしょう

変形性膝関節症

最終更新日:
2020年09月23日
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2020/09/23
更新しました
2017/04/25
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概要

変形性膝関節症とは、体重や加齢などの影響から膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じるようになる病気です。女性に発生することが多く、加齢、肥満、外傷なども変形性膝関節症の発症に関与していると考えられています。

膝は体重負担が大きくかかる部位であり、変形性膝関節症の発症を防ぐためには体重を増やしすぎないようにコントロールすることが重要です。さらに、膝周囲の筋力をしっかりと保持することも、膝への負担を軽減させるためには有効だと考えられています。また、病状が進行すると歩行が困難になることもあり、そのような場合には手術が検討されます。

軟骨と半月板

膝関節とは、太ももにあたる大腿骨(だいたいこつ)と脛にあたる脛骨(けいこつ)の継ぎ目にある関節で、歩くときに重要な役割を果たします。

膝の前方には膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨(しつがいこつ)があり、これら3つの骨から成り立っています。これらの骨同士が互いに直接接触すると、大きな摩擦が生じ骨の摩耗につながってしまいます。膝関節内の骨の表面を覆う軟骨は、この摩擦を防ぎ、スムーズな関節の動きを実現しています。

さらに、大腿骨と脛骨の関節面の間には半月板(はんげつばん)があり、主にクッションの役割を果たします。この半月板は、アワビの刺身のような硬さで、コラーゲン繊維からできています。膝を曲げ伸ばしすると半月板が動き、そのおかげでスムーズに膝を曲げることできます。

 

原因

加齢や肥満、若いころの膝への外傷などが原因となります。日本人はO脚の人が多く、膝の内側に負担がかかります。半月板も徐々に質が変化して、少しのストレスで切れてしまうこともあります。半月板が切れるとその位置がずれてクッションの役目を果たさなくなり、軟骨が減ってゆく原因ともなります。

痛みの原因

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることにより慢性炎症や変形が生じ、膝に痛みが現れる病気です。

体重増加

膝の痛みは、加齢や体重によって徐々に進行します。膝関節には体重がかかるので、過度な体重増加は軟骨損傷を進行させる大きな危険因子といえます。

症状

症状としては、膝を動かしたときに生じる膝の痛みがあります。特に、歩行時の最初の数歩や椅子から立ち上がるときに痛むことが多いです。

病気が進行すると痛みは強くなる傾向にあります。痛みが生じることで自然と関節の可動域も狭くなり、結果、日常生活に大きな影響を及ぼすようになります。

変形性膝関節症では炎症反応が生じ、膝に水がたまる(関節水腫)こともあります。通常、人は立ち上がると膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨の形がみえますが、関節水腫になると、たまった水のせいで膝のお皿が見えなくなります。また、関節水腫は膝の曲げ伸ばしにも影響します。

検査・診断

変形性膝関節症では、病気に関連した膝の痛みなどの症状や、膝のO脚所見、滑膜の炎症反応である関節水腫がみられるかなどを確認します。まずはレントゲン写真で判断します。その後、必要に応じてMRIといった画像検査を行うこともあります。最新の画像検査を行うことによって、軟骨や半月板、靱帯などの損傷具合や骨の変形具合などをより詳細に評価できるようになります。

治療

変形性膝関節症で発症した軟骨や半月板の損傷は、2020年現在の医療技術をもってしても完全には元に戻せません。そのため、治療は大きく以下3つのアプローチになります。

  • 痛みに対しての対症療法(痛み止めの内服、ヒアルロン酸の関節内注入など)
  • 残された膝関節の機能を最大限活用させるための手術
  • 人工関節に置き換える手術

対症療法としては、筋力保持のためのトレーニングやリハビリテーション、適切な装具を利用するといったアプローチも重要です。

また外科的な治療法には、主に3つの手術があります。膝に与える影響が小さいものから順番に並べると、以下のようになります。

  • 関節鏡による手術
  • 膝周囲骨切り術
  • 人工膝関節手術

関節鏡による手術

関節鏡とは、膝の周囲に小さな傷をつけて内視鏡を膝に入れ、膝の内部をきれいにする手術です。これは、膝の内部の掃除と半月板の修復を目的としています。

膝周囲骨切り術

膝周囲骨切り術は、膝の上または下で骨の形を矯正することで膝の一部に偏ったストレスを改善しようとするものです。変形性膝関節症はO脚があることで症状が増悪しやすいので、骨を矯正することで膝周囲の骨の荷重を調整します。

人工膝関節手術

人工関節に置き換える手術は、合併症や置換後の日常生活やスポーツ活動などへの制限も生じることがあるため、病気がかなり進行している人に対して実施されます。膝関節はなくなってしまう手術であるため、実施には十分な検討が必要でしょう。

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