院長インタビュー

低侵襲手術に特化し、安全で質の高い医療の提供を目指す――あんしん病院

低侵襲手術に特化し、安全で質の高い医療の提供を目指す――あんしん病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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神戸港に浮かぶ人工島・ポートアイランドにある整形外科単科のあんしん病院。都市部からは決してアクセスがいいとは言えない立地ながら遠方からの患者さんも多く訪れ、人工関節置換術の手術件数は国内でも上位を誇ります。

そんな同院が担う役割や今後の展望について、院長である水野 清典(みずの きよのり)先生にお話を伺いました。

先方提供

当院は2007年に整形外科の有床診療所として開院いたしました。当初はベッド数が19床で、外来診療と入院治療のどちらにも対応していました。また同時に、三宮(あんしんクリニック)や明石(久保整形外科クリニック)にあるサテライトクリニックと医療情報を共有し、クリニックの患者さんが手術を必要とする場合に速やかに連携できる体制を構築しました。今のようにクラウド型電子カルテが広く普及していない時代、IDで紐づけされた患者さんの情報を連携医療機関のどこからでも確認できることは非常に画期的なことと言えました。

各クリニックに導入されたMRIやCTによって適切な検査を行ってその日のうちに診断をつけ、保存治療が難しいと判断する場合には当院にて手術を担当させていただく――、そうした流れの中で手術件数は右肩上がりに増加していきました。これに対応するため2013年には整形外科手術に特化した病院として新たなスタートを切り、開院当時19床だったベッド数は現在60床までになりました。

当院はポートアイランドの中にあるため、市内からお越しになるには神戸空港行のポートライナーをご利用いただかなくてはなりません。通院には少々不便な場所にあることも手術専門の病院とした理由だったものの、予想に反して毎日たくさんの患者さんに足を運んでいただいています。

当院には現在、三宮、明石、鷹取、六甲、住吉、西宮、川西、垂水……と各地に診療拠点があり、市内はもとより県内全域から患者さんがお越しになります。また神戸空港からのアクセスがよいため、飛行機に乗って五島列島や奄美大島から来院される患者さんも珍しくありません。もともとは地域医療に貢献することを目的としておりましたが、当院の治療によって1人でも多くの患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献できればうれしく思います。

当院は整形外科の中でも特に肩・膝の関節鏡手術、膝・股関節(こかんせつ)人工関節置換術脊椎(せきつい)手術に強みがあります。人工関節置換術の手術件数は年間1,000件を超えます* 。これは外来診療を担当するサテライトクリニックが多数あること、適切な検査・診断から治療へとスムーズに連携できる体制があるおかげだと考えています。

クリニックの患者さんの手術を一手に引き受けているとはいえ、当院が何か特別なことをしているかと言えば、決してそうではありません。整形外科の手術において何より大事になるのは、入念な準備をしたうえで安全かつ確実に手術を実施することであり、最先端を追い求めるよりも失敗しないことのほうを重視すべきというのが私の考えです。このため当院では安全性や実績などを踏まえて、良好な成績をおさめている手術を実施しています。

*人工関節置換術実績……2022年/1,238件(膝:799件、股:430件、肩:9件)、2023年/1,211件(膝:736件、股:468件、肩:7件)

年間で数百件もの手術を実施するためには、執刀医がその領域について十分に習熟していなければなりません。当院はあえて専門分野を広げることはせず、肩・膝の関節鏡手術、膝・股関節の人工関節手術と脊椎手術を中心に、患者さんへの負担が少ない低侵襲(ていしんしゅう)手術をご提供しています。

人工関節置換術では安全性と正確性を高めるナビゲーションシステムを導入しているほか、脊椎手術では問題のある部位を特定したうえでピンポイントの治療を行っています。患者さんの体になるべく傷をつけないことで回復が早まり、術後の痛みが抑えられることも低侵襲手術ならではです。

実際に当院のリハビリテーションは手術当日から介入し、翌日には歩行器を使った歩行訓練がスタートします。人工関節置換術の入院期間はおおむね1週間ほどの短期間で済み、自立した生活を送れることを確認したうえでご自宅にお戻りいただいています。当院では外来で患者さんの診療にあたった医師がそのまま手術を執刀することを基本としており、術後のフォローまで一貫して担当しています。

ここまでのお話で当院が整形外科手術に特化した“手術センター”であることをお分かりいただけたかと思いますが、私たちはただやみくもに手術を実施しているわけではありません。MRIやCT検査によって適切な診断をつけ、痛みに対するブロック注射や投薬治療などの保存治療を徹底的に行ったうえで、必要な場合には手術を検討しましょうというのが当院の考えです。グループ全体で約80人の理学療法士が在籍していることからも、リハビリをはじめとした保存治療に力を入れていることをご理解いただけるでしょう。

リハビリは前十字靱帯(じんたい)損傷などスポーツによるけがで手術を受けられた患者さんの競技復帰にも欠かせないものです。スポーツ整形については、手術そのものより術後のリハビリが競技人生を左右すると言っても過言ではありません。特に学生さんの場合は競技に取り組める時間に限りがありますので、理学療法士やトレーナーと連携して早期の競技復帰をサポートしています。何よりも患者さんの利益を最優先に考え、患者さんを治すことに全力を傾けたいと考えています。

私は神戸大学医学部を卒業して大学病院や関連病院で経験を積み、明石駅の近くに水野整形外科クリニックを開院しました。院長として診療するなかで手術が必要な患者さんがいらしたら当院にて手術を執刀しており、そうしたご縁から2015年に院長を拝命いたしました。

当院は整形外科手術に特化した病院のため、“関節が痛い”“足が痛い”などお困りのことがありましたら、まずは外来を担当するサテライトクリニック(あんしんクリニック・神戸市中央区三宮/あんしんクリニック住吉・東灘区/あんしんクリニック西宮・西宮市)へご相談ください。各クリニックは都市部のアクセスのよい場所にありますので、仕事や勉強などで忙しくされている方にも通院しやすい環境と言えるのではないでしょうか。スムーズな診断・治療とともに“あんしん”をご提供したいと考えておりますので、気楽な気持ちでご相談いただければと思います。

*病床数や医師、療法士の人数、提供する医療の内容等についての情報は全て2024年9月時点のものです。

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