医療法人 済衆館 済衆館病院(以下、済衆館病院)は、愛知県北名古屋市に位置する病院です。同院の使命は、地域の皆さんの必要とする医療を提供し、いかなるときもサポートすることであると理事長である今村康宏先生はおっしゃいます。
地域の皆さんが、住み慣れた地域で一貫した医療が受けられるよう尽力するスーパーケアミックス病院としての取り組みについて、今村先生にお話を伺いました。
当院は、1914年当初は産婦人科病院として開設されました。その後、地域の皆さんが必要とする医療を提供するために、診療科の充実や病床転換をして、ケアミックス病院となりました。
ケアミックス病院とは、急性期・回復期・慢性期・在宅医療といった、幅広い病期の患者さんの症状に対応し、一人ひとりの患者さんの要望に応えることができる病院です。スーパーケアミックス病院とは、ケアミックス病院としての医療の実現に加え、地域の皆さんが求める医療に可能な限り対応していく病院を呼びます。
当院は、地域の皆さんが住み慣れた地域で、いかなるときも一貫した医療が受けられるよう、スーパーケアミックス病院の実現を目指し、医療体制を整備してまいります。
脳神経外科は、脳梗塞やくも膜下出血などの緊急の対応が必要な病気を扱っています。そこで脳神経外科では、脳動脈瘤や脳梗塞に対するカテーテルを用いた脳血管内治療に力を入れています。
脳血管内治療は、カテーテルを用いることによって切開部を小さくし、出血や痛みを抑えることで、患者さんの体の負担を軽減しています。
脳神経外科では、今後も患者さんの体の負担を可能な限り少なくする治療の実施に努めていきます。
手の外科の治療は、整形外科領域のなかでも指や手などの病気やけがに特化した診療を行っています。
手の手術は繊細な手術手技が求められます。そこで当科では、適宜、顕微鏡を用いて手術を行っています。
腎・透析センターでは、通院および入院での透析治療にも対応しています。
透析治療を行っている患者さんは合併症を抱える患者さんも多くいらっしゃいます。そこで各科と連携し透析治療を行うだけでなく、患者さんが心地よく治療を受けることができるよう清潔で快適な環境を整備しています。
放射線科では、IVR(Interventional Radiology)に注力しています。IVRとは、CTやX線透視検査での画像診断をしながら実施する血管内治療を指します。
IVRによる治療は、カテーテルを用いた血管内治療を行うため、切開創が小さく痛みを抑えることができる治療です。放射線科では、これからも患者さんの体の負担を軽減する治療の提供に尽力いたします。
病気の早期発見・早期治療と同様に重視するべきは、日常生活に復帰するためのリハビリテーションであると考えています。
当院では、リハビリテーションセンターを設置し、地域の皆さんが住み慣れた地域で生活を続けるためのサポートをします。リハビリテーションセンターでは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による患者さんそれぞれに応じたさまざまなリハビリを提供しています。今後は、ロボットを用いたリハビリの提供にも注力していきます。
当院は、済衆館患者支援センターを設置し、退院後も必要な医療を受けることができるようさまざまな支援を行っています。たとえば、当院を退院する患者さんに対して、通院でリハビリを行うデイケアセンターや訪問看護サービスなどを紹介しています。患者さんのご希望や症状に応じて、看護師や医療ソーシャルワーカーといった専門知識を持つスタッフが支援を担当しています。
このような取り組みによって、地域の皆さんが在宅復帰に向けて切れ目なく医療を受けることができるようサポートいたします。
若手医師の皆さんには、まずは急性期医療をしっかり学んでいただきたいです。その後、回復期医療や慢性期医療などに幅広く携わり、視野を広げていってください。
当院のようなケアミックス病院は、若手医師の皆さんが学ぶ場として、多様な患者さんの診療に携わることができる理想的な環境であると考えています。多職種のスタッフと協力しながら、地域の皆さんを支える医療提供に励みたいという熱意を持ち、医師としての経験を積んでいってください。
病気は早期発見・早期治療が重要です。痛みや違和感をそのままにして、我慢を重ねてしまうことがないよう、早い段階でご相談いただきたいと切に願っています。その取り組みのひとつとして、排便の悩みから大腸や小腸などの病気を早期発見することを目指し、IBD/便秘外来を設置したいと考えています。
また、自宅で介護をしている方も同様に、不安や負担を1人で抱え込むことがないよう、済衆館患者支援センターをご利用ください。
当院はスーパーケアミックス病院の実現を目指し、地域の皆さんがいかなるときも住み慣れた地域で暮らすことができるように、サポートしていきます。