げっぷ:医師が考える原因と対処法|症状辞典
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
げっぷは誰しも経験のある生理現象ともいえるため、あまり意識することはないかもしれません。しかし、げっぷが続く、異常に多いなどの場合には注意が必要なこともあります。
このような症状がみられた時、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。
日常生活上の習慣などが原因で、げっぷが多くなることもあります。
ガツガツと早食いで一気にかき込むような食べ方はげっぷが出やすくなります。食べ物と一緒に大量の空気も呑み込んでしまうためです。丼物を急いで食べたり、麺類やスープをズルズル飲み込んだりすることも、空気を飲み込みやすくする原因です。
ゆっくりとよく噛んで食事をするようにしましょう。丼物のご飯をかき込むような食べ方はやめて、一口ずつ味わいながら食べることが大切です。また、みそ汁やスープ、麺類の汁、飲み物なども、すする、一気飲みなどは避け、一口ずつゆっくり飲むとげっぷの予防になります。
炭酸飲料は二酸化炭素のガスを充填して製造される飲み物です。胃の中に入ると炭酸ガスが発生するため胃の内圧が高まり、げっぷが出やすくなります。
げっぷを増やしたくない、避けたい場面では炭酸飲料を飲まないことが最大の予防です。代わりに、番茶やほうじ茶、玄米茶や麦茶、ウーロン茶、水などを摂るようにするとよいでしょう。
ベルトや帯、コルセット、補正効果のある下着などで腹部を締め付け過ぎると、胃部の内圧が高まって胃液の逆流を起こしやすくなり、結果げっぷが増えることもあります。
お腹を締め付けないゆったりした服装がよいでしょう、上記のようなものを身につける場合にも、締め付けすぎに注意し、ある程度ゆとりを持ったものにしましょう。
前屈みの姿勢が続くと、胃部の圧迫が強まって胃液の逆流が起きやすくなりげっぷを引き起こすことがあります。
イスに深く腰を掛け、背もたれを上手に使うなど、できるだけ前屈みの姿勢にならない工夫をしましょう。クッションを腰に当てたり、長時間座るときは背もたれのついたイスを選んだりするとよいでしょう。
緊張状態が続いてストレスにさらされ続けると唾液を飲み込む回数が増え、あわせて空気を飲み込むためげっぷが増えることがあります。
仕事や人間関係で疲れたら少し距離を置いたり、気分転換に趣味や運動をしたりするとよいでしょう。ストレスが軽減されない場合は心療内科や精神科の受診もしながら胃腸の調子と精神的なストレスの両方をケアすることが大切です。
自分でできる対処法を試してもげっぷが多い、減らず気になるような場合には、思いもよらぬ原因が潜んでいるかもしれません。一度病院で相談してみましょう。
げっぷは病気が原因でない場合も多いですが、病気が原因である場合には以下のようなものが主に考えられます。
胃液が食道に逆流し、食道が炎症を起こしている状態です。老化や食事の内容、肥満などにより、食べ物の逆流を防ぐ下部食道括約筋のはたらきが衰えたり、ストレスなどで胃酸の分泌が促進されたりすることで起こるといわれています。
げっぷや胸焼け、咳や胸の違和感などさまざまな症状を引き起こします。症状の出方には個人差が大きく、自覚症状がない場合もあります。
胃の一部がお腹から胸側に横隔膜を越えて膨らんで突出した状態です。食道と胃の絞まりが不十分になるため、げっぷや胃酸の逆流などをおこしやすくなります。
肥満の方などに多くみられます。逆流性食道炎の症状が強いときには、主に薬による治療が行われ、薬でコントロールが難しいときには手術することもあります。
胃の不快感やげっぷ、吐き気、胸焼けなどの症状が続くのに、検査を行っても異常がないものを機能性ディスペプシアと呼ぶことがあります。
まずは他の病気でないかどうかの確認が大切です。
大量の空気を飲み込みすぎてしまうことで胃や腸といった体の内部に空気がたまり、腹部の張りやげっぷなどが現れる状態です。食事に合わせて空気を少しずつ飲み込むのに加えて、ストレスなどによって無意識に唾液を飲み込むような動作が増え、引き起こされるといわれています。
たまにげっぷが出る、食後にげっぷが出るなどであれば心配のないことがほとんどですが、頻回にげっぷが出る、胃痛や胃もたれなど他の症状を伴う場合には受診が必要なこともあります。
まずは内科や胃腸科、消化器内科などを受診してみましょう。
受診の際には、げっぷはいつごろから始まったのか、1日にどのくらい出るのか、そのほか胃の違和感などがあればもれなく伝えましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。