お腹が出る:医師が考える原因と対処法|症状辞典

お腹が出る

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 体重は変わらないのにお腹だけが急にせり出してきたように感じる
  • 体重が短期間で急激に増えた
  • 腹痛、息苦しさ、食欲不振、お腹の張りなどの症状がある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない

年齢とともにお腹が出るのはよくあることで「中年太り」ともいわれますが、見過ごせないケースもあります。

  • 急にお腹が出始めた。食べ過ぎなどの心当たりもない・・・
  • いつの間にかすっかりお腹が出た中年体型に・・・そういえば、便秘も続いている
  • ダイエットをしているがお腹だけが不自然に出たまま・・・

このような症状がある場合、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。

お腹が目立ってきた場合、何らかの病気によって起こっている場合もあります。

急にお腹が出てきた場合には、次のような病気が考えられます。

消化管穿孔(せんこう)

腸などに穴が開いて、消化液、食物、便などが消化管の外に漏れ出す病気です。突然の強い痛みが起きたり、急にふくれたお腹が硬く感じたりするようになります。吐き気、嘔吐、食欲不振なども伴います。

もし消化管穿孔であった場合には早期の治療が必要です。腹痛が強いような場合には早めの受診を検討しましょう。

腸閉塞

腸の中で通過障害があり、便などの移動が妨げられている状態です。嘔吐を始めとして、腹痛、お腹のハリ、便秘などの症状を特徴としています。

とくに過去にお腹の手術をしたことがある人は、腸閉塞を起こすリスクが高いといわれているため注意が必要です。

尿閉

急に尿が出なくなり、膀胱に尿が充満することでお腹が張ります。これにより痛みを感じることが多くあります。多くは男性で前立腺肥大症がある方に起こりやすくなります。アルコールや風邪薬がきっかけに起こることもあるため注意が必要です。

腹壁ヘルニア

腸の一部などが腹筋の隙間などからはみ出てしまう病気です。お腹の一部が突然ぽっこりと出たように見えますが、はみ出ている腸が自然に元の位置に戻ればわからなくなることが特徴です。腹痛、吐き気、嘔吐などを伴うこともあります。

腹壁ヘルニア
関連記事数: 0記事

緩やかにお腹が出る病気には次のようなものがあります。

便秘

便秘はさまざまな原因によって引き起こされ、お腹のハリ、腹痛、食欲不振の他、肛門の違和感などの症状が現れることがあります。便秘にはさまざまなタイプがあり、自分で対処してもなかなかよくならない場合もあります。仕方がないことと思わず、一度病院で相談してみましょう。

腹水の貯留

いわゆるお腹に水が溜まった状態です。腹水が少量の場合には自覚症状はありませんが、大量になるとお腹が出ていると感じられるようになります。

溜まった水によって胃や肺が圧迫され、吐き気や息切れを感じることもあります。肝臓の病気や悪性腫瘍で起こりやすい症状で、普通腹水が現れるまでにほかの症状が現れる場合が多いとされています。

腫瘍

腹部にできた腫瘍が大きくなることで、お腹が出ているように感じられることもあります。悪性腫瘍だけではなく、子宮筋腫などの良性のものでも起こることがあります。

子宮筋腫
関連記事数: 28記事

急にお腹が出てきた・強い痛みなどを伴う場合には早めに受診が必要です。また、徐々にお腹が出てきたように感じられ、そのほかの気になる症状もあるときには受診したほうがよいでしょう。原因によって専門科目は異なりますが、まずはかかりやすい近くの内科やかかりつけなどで相談するとよいでしょう。

受診の際には、いつからお腹が出てきたのか、そのほかの症状はどんなものがあるのか具体的に伝えることがポイントです。

日常生活に原因があり、お腹が出てきたように感じられることもあります。

体脂肪が増加して、お腹が出ることもあります。皮下脂肪はもちろん、中年以降は内臓脂肪にも注意が必要です。

太ったなと思ったら

食べないダイエットはリバウンドの原因にもなります。健康的にやせるためにも、栄養バランスの整った食事をきちんと三度取るようにしましょう。つねに腹八分目を心がけることも大事です。また、就寝前3時間は飲食を控えると良いといわれています。

腹筋が衰えることでもお腹が出てきたように感じることがあります。

筋力低下を感じたら

ひじを床につけて行う「プランク」が腹筋を鍛えるのに最適です。また、仰向けに寝て膝を立て、頭と肩だけを持ち上げておへそを見る運動も良いでしょう。無理せず毎日続けることがポイントです。

日常生活でできる対処法を試しても症状がよくならない場合には、一度は病院で相談するようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。