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関節リウマチの検査―医師の診察以外にレントゲン・超音波・MRIなどの画...
関節リウマチは、起床時の関節のこわばりがもっとも初期に見られる症状です。しかしながら関節のこわばりは、関節リウマチ以外でも起こり得ます。関節リウマチの最も顕著な症状である関節の腫脹や痛みも同様で...
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関節リウマチの検査―医師の診察以外にレントゲン・超音波・MRIなどの画像診断も重視

公開日 2015 年 07 月 22 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

関節リウマチの検査―医師の診察以外にレントゲン・超音波・MRIなどの画像診断も重視
井畑 淳 先生

国立病院機構横浜医療センターリウマチ科部長

井畑 淳 先生

関節リウマチは、起床時の関節のこわばりがもっとも初期に見られる症状です。しかしながら関節のこわばりは、関節リウマチ以外でも起こり得ます。関節リウマチの最も顕著な症状である関節の腫脹や痛みも同様です。そのため、2010年からは、新たな診断方法が用いられています。ここでは、関節リウマチの検査や診断方法について、横浜市立大学大学院医学研究科病態免疫制御内科学特任研究員の井畑淳先生に詳細を解説していただきます。

関節リウマチの検査と診断

関節リウマチのもっとも初期の症状は、「起床時の関節のこわばり」です。起床後、1時間以上にわたってこわばりが続く症状が6週間続く場合は、関節リウマチを発症している可能性が高いといえます。しかしながら、起床時の関節のこわばりは健康な方でも起こりえます。
従来では、以下の症状や検査結果のうち4つ以上当てはまる場合、関節リウマチを発症していると診断されてきました。

  1. 起床時に関節がこわばる状態が6週間以上続いている。
  2. 以下の14箇所のうち3箇所以上同時に、軟部組織の腫脹関節炎や関節液貯留を起こしている状態が6週間以上続いていることが、医師によって認められる。【左右のPIP(近位指節間)関節・MCP(中手指節)関節・手関節・肘・膝・足・MTP(中足指節)関節】
  3. 手の関節炎が6週間以上続いている。また、手関節・MCP関節・またはPIP関節の少なくとも1か所に腫脹が認められる。
  4. 体の左右対称の関節が腫脹したり、痛みが見られたりする症状が6週間以上続いている。
  5. 医師の診察によって、骨突起部・伸展する筋肉の表面・または周辺の関節に皮下結節が確認される。
  6. 血液検査を行った際に、血清リウマトイド因子が異常高値を示す。
  7. 手指または手関節のX線写真撮影を行った際に、関節びらんや骨の脱石灰化が医師の診断によって認められる。

ただしこの診断方法は早期の診断には向かないとして、2010年からは欧米を中心に、以下のような診断方法に変わっています。

  1. ひとつ以上の関節に腫脹や痛みがあるか(痛風や感染症などの可能性が低いことが条件)、レントゲン検査で骨びらんが認められる
  2. 以下の関節リウマチの診断基準で、合計スコアが6点以上
腫れや圧痛のある関節数  
1個の中・大関節 0点
2~10個の中・大関節 1点
1~3個の小関節 2点
4~10個の小関節 3点
少なくとも1個の小関節を含む11個以上の小関節 5点
血液検査  
リウマトイド因子、抗CCP抗体のどちらも陰性 0点
いずれかが低値陽性 2点
いずれかが高値陽性 3点
症状の持続期間  
6週間未満 0点
6週間以上 1点
炎症の状態  
CRP、ESR両方とも正常 0点
CRP、ESRどちらかが以上 1点

この基準は、新しいリウマチの治療薬である「メソトレレキサート」を早期に投与するための基準として用いられています。
データや症状だけをみると、リウマチとよく似た病気はいくつもあります。リウマチの治療薬は副作用がしばしば出現するため、誤って関節リウマチ以外の病気の方にリウマチ治療薬を処方しないよう、このような判断基準を使用する際には他の病気を除外することが必要とされています。

関節リウマチの方、特に初期の方で約10~20%の方は、この基準を満たさないことがあります。そのため、診察所見・血液検査・X線検査に加え、MRIや超音波などの画像検査を組み合わせて総合的にリウマチを発症しているかどうか診断されます。

関節リウマチの検査

関節リウマチは、関節が腫脹したり圧痛を感じたりするようになるのが特徴です。また、身体の左右対称の関節に症状が出ることが多いため、専門医は診察の際にそのような症状が表れていないか丁寧にチェックを行います。

ただし、診察だけでは顕著な症状が認められない場合も珍しくありません。そのため、レントゲンや超音波診断装置・MRIなどの画像診断を用いることもよく行われます。病状が進行すると、関節内の滑膜で保護されている骨の末端を覆っている軟骨が破壊され、骨粗しょう症が進行します。そのような状態に至る前に、骨の画像に「びらん」などの症状があるかどうかチェックするためです。 
MRIでびらんを確認した場合、関節の腫脹や痛みが顕著に認められなくても、関節リウマチを発症しているという診断を下す根拠となります。

関節リウマチ発症初期のレントゲン写真

関節リウマチ発症初期のレントゲン写真

血液検査も関節リウマチを診断する上で非常に重要

関節リウマチを診断する上で、関節の腫脹や痛みが認められる状態を診察で確認したり、画像診断で骨の異常を発見できることが診断の決め手になることは多々あります。しかしながら、早期の場合などは必ずしもそのような異常が見つかるとは限りません。したがって血液検査を同時に行うことがあります。ただし、関節リウマチ以外の感染症でも検査結果の値が上昇する項目があります。そのため血液検査では、複数の項目を総合的に判断することが重視されます。

一般的に血液検査では、リウマチ因子と抗CCP抗体、CRP(※)や赤沈などの炎症反応、軟骨破壊に関係している酵素であるMMP-3などを重点的にチェックします。

※CRPとは炎症の強さを表す項目です。関節リウマチを発症している場合は、検査結果の値が上昇しますが、感染症などでも上昇するため、この項目の値が高いことだけを理由に関節リウマチを発症していると診断されることはありません。

リウマチ因子は、関節リウマチを発症していることを表す項目として、血液検査で重視されています。ただし最近は、抗CCP抗体の有用性がより注目されています。抗CCP抗体はリウマチ因子に比べて、より特異的に検出できるという特徴があるからです。
さらに抗CCP抗体・リウマチ因子・CRPが非常に高い例では、関節破壊が急速になる傾向があることが知られています。これらのデータは関節リウマチの治療を行う上でも非常に重視されています。

関節リウマチの診断―医師の診察・画像診断・血液検査を総合的に判断

関節リウマチは、左右対称の関節に腫脹や炎症を起こす特徴がありますが、必ずしも症状を呈するとは限りません。そのため診察以外に、画像診断・血液検査の結果を医師が総合的に判断して診断が下されます。
関節リウマチの患者さんのうち10~20%は、血液検査を行ってもリウマチ因子や抗CCP抗体が陰性であることがわかっています。これらの項目は、関節リウマチの診断を下すのに重要な参考所見となる項目ですが、必ずしも診断の決め手にはなりません。

記事1:関節リウマチとはどんな病気か?―病気の特徴と原因
記事2:関節リウマチの原因は何か。なぜ・どのようにして発症するのか?
記事3:関節リウマチの症状とは。朝、関節のこわばりを感じたら要注意
記事4:関節リウマチの検査―医師の診察以外にレントゲン・超音波・MRIなどの画像診断も重視
記事5:関節リウマチの治療―リハビリテーション・薬物療法・手術療法を踏まえて適切な治療ができる病院を探す

横浜市立大学医学部を卒業後、横浜市立大学大学院病態免疫制御内科学教室にて研究を行う。生体の免疫に深く関わる感染症・リウマチ・血液内科・呼吸器内科に精通。広範な知見と経験をもとに、膠原病リウマチ内科で診療に携わると同時に、後進の育成にも力を注いでいる。

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