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インタビュー

精巣腫瘍の症状ー「痛くないから大丈夫」は間違い?

精巣腫瘍の症状ー「痛くないから大丈夫」は間違い?
岸田 健 先生

神奈川県立がんセンター 泌尿器科部長

岸田 健 先生

15~35歳の若い男性にできるがんの中では最も多い精巣腫瘍。精巣腫瘍では、どのような症状が出てくるのでしょうか?精巣腫瘍の症状とその注意点について、くわしくご説明します。

精巣腫瘍は、精巣にできる腫瘍(おでき)です。悪性の腫瘍、いわゆる“がん”であることが多いです。
頻度としては10万人に1~2人のめずらしい病気ですが、15~35歳の若い方に多く、この年代の男性にできる悪性腫瘍のなかでは最も頻度が高いものです。

精巣腫瘍では、多くの場合痛みもなく熱も出ませんが、陰嚢(いんのう:たまのふくろ)の中の精巣の一部が硬くごつごつしてきたり、全体的に腫れて大きくなってきたりします。この症状を“無痛性(むつうせい)の精巣腫大(しゅだい)”といいます。
もし痛みがあれば精巣腫瘍ではなく、精巣炎(せいそうえん)や精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)などの感染症である可能性が高いのですが、時には痛みを伴う精巣腫瘍もありますので注意が必要です。

実際に、精巣腫瘍にかかった方が最初に病院を受診するきっかけは、多くの場合「痛くはないけど精巣が腫れている」ことを自覚することです。

ところが、痛みもない上に病院で見せるのが恥ずかしいからと、腫れていることに気づいても病院に行かないで放っておく患者さんも多くいらっしゃいます。しかし、「痛くないから大丈夫」ということは決してありません。繰り返しますが、精巣腫瘍では、基本的に痛みはでないのです。

放っておいたことにより病気がかなり進行して、“お腹がふくらんできた”、“咳が出て胸が苦しくなった”など、精巣腫瘍が他の場所に転移したことによる症状で病院を受診する方もいらっしゃいます。さらに、その際に精巣が腫れていることを恥ずかしいから、関係ないだろうから、と医師に伝えない方もいらっしゃいます。患者さんが医師に伝えないと、原因が分からず、適切な治療を行うことができないこともあるので、精巣以外の症状で病院を受診した場合でも、精巣が腫れていたらそのことをきちんと医師に伝えるようにして下さい。

精巣腫瘍は、ほとんどの場合悪性なので、進行すれば命に関わります。さらに、進行が早いことが多いのが特徴です。
このように、進行も早く転移もしやすいがんですが、幸いなことに治療法が確立しているので、適切に治療することで治る可能性は十分にあります。早い段階でしっかりとした治療をすることが一番大切です。(早い段階で発見して精巣を摘出すれば、4、5日の入院だけで治療が済んでしまうこともあります。)

しかし、前述のように、痛くないからと病院を受診せずに放っておくと、知らない間に進行し他の場所に転移してしまいます。そうなってしまうと、治療はより長く難しくなります。異変に気づいたら、放っておかず、すぐに病院を受診するようにしましょう。

記事1:精巣腫瘍は治るがん?―精巣腫瘍の完治率、生存率について
記事2:精巣腫瘍の症状―「痛くないから大丈夫」は間違い?
記事3:どういう人が精巣腫瘍になりやすい?―精巣腫瘍の原因
記事4:精巣腫瘍と不妊症―精液保存のすすめ
記事5:精巣腫瘍の検査・診断―早めに検査を受けましょう
記事6:精巣腫瘍の治療・前編ー治療の流れについて
記事7:精巣腫瘍の治療・後編ー治療期間、治療後の通院、再発について
記事8:急性精巣炎とはどんな病気?おたふくかぜになったら注意しよう
記事9:急性精巣上体炎とは?
記事10:慢性精巣上体炎とはどんな病気?陰嚢(いんのう)の違和感、にぶい痛みが長く続く

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