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インタビュー

在宅医療についてよくある疑問―費用は?誰に相談すればよい?

在宅医療についてよくある疑問―費用は?誰に相談すればよい?
武藤 真祐 先生

医療法人社団鉄祐会 理事長

武藤 真祐 先生

みなさんも「在宅医療」という言葉を聞く機会が増えてきたと思いますし、ご親戚や知り合いが在宅医療を受けられた方もいると思います。自宅で最期の時を過ごしたいと考える高齢者の増加にともない、国も在宅医療の普及を進めています。「在宅医療に費用はどの程度かかるのか?」「在宅医療を受ける場合には誰に相談すればよいのか?」など在宅医療にまつわる疑問を、東京・石巻で在宅医療を展開する武藤先生にお伺いしました。

  1. 病院に入院している患者さんの場合
    病院から退院して自宅で継続的な治療を受けたいという患者さんが多くいます。一定規模の病院にはほとんどの場合、相談窓口(医療・看護相談室、在宅療養支援室、医療連携室など)がありますので、退院前に相談にいくことをお勧めします。医療ソーシャルワーカーという専門家がご自宅の近くの在宅医療を行う診療所を見つけてくれます。

  2. 病院に入院していない患者さんの場合
    かかりつけの開業医さんがいる場合は、そのお医者さんが在宅医療もやっている可能性がありますので確認してみましょう。また、担当のケアマネジャーさんに相談したり、地域の地域包括支援センター(高齢者あんしん相談センター)などに連絡をとったりして、医師を紹介してもらうのも良いでしょう。

在宅医療に切り替えたいけれども、かかりつけの病院の先生にも継続的に診てもらいたいという患者さんは多くいます。月に2回の訪問診療を行いながら、数か月に1度かかりつけの病院に通院して診てもらうという組み合わせを行うことはもちろん可能です。

ただし、療養期の場合は、病院で行われる治療の大部分は在宅医療でも行うことは可能なので、最初は病院への通院と在宅医療を組み合わせながら様子をみて、徐々に在宅医療のみに切り替えていくという方法もあります。

安定した呼吸のために ・在宅酸素管理
  ・在宅人工呼吸器
栄養摂取のために ・胃ろう管理
  ・経鼻経管栄養
  ・在宅中心静脈栄養
排泄のために ・膀胱留置カテーテル
  ・ストマ(人工肛門)ケア
苦痛の緩和のために ・麻薬処方
  ・腹水穿刺
  ・携帯型精密輸液ポンプ管理
身体機能向上のために ・リハビリテーション指導
床ずれ治療のために ・皮膚科専門医によるじょくそう処置

(出典:祐ホームクリニックホームページ)

ご自宅で治療をされる場合に一番の心配となるのは、緊急の体調変化だと思いますが、24時間・365日の緊急電話、緊急往診の形で対応してもらえます。

在宅医療を行う医療機関(在宅療養支援診療所)は24時間・365日の緊急対応をできる体制であることが義務化されています。在宅医療を行う医療機関は、患者さんやそのご家族から緊急の電話に対応する準備をしていますし、必要があれば医師が緊急で往診したり、訪問看護ステーションなどと連携して医療的な処置やケアをしたりすることが出来ます。

医師が自宅に訪問するということで、費用について気になる患者さんも多いです。年齢や自己負担割合によっても変わってきますが、ここでは居宅で療養していて、75歳以上で1割負担の患者さんの場合を説明します。

月2回の訪問診療を行った場合の標準的な自己負担額は月額約6,000~7,000円程度です。それに加えて、検査や処置を行った場合、緊急で訪問診療を行った場合は、その分が加算されます。ただし医療費負担額の上限が決まっているので、最大自己負担額は12,000円です。3割負担の場合の月額は、標準的な負担額は20,000円程度。上限額は44,000円です。(2015年6月現在)