インタビュー

ロボットによる手術「ダビンチ®」について

ロボットによる手術「ダビンチ®」について
永田 真樹 先生

横浜労災病院 泌尿器科 部長

永田 真樹 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年07月29日です。

「ロボット手術」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。今、最も有名であり日本でも徐々に導入されつつあるのは、アメリカで開発された最新鋭の手術支援ロボット「ダビンチ®」です。それでは、ダビンチ®はどのような特徴を持つのでしょうか。2013年9月にダビンチ®を導入後、日本でも有数の手術症例数を持つ、横浜労災病院泌尿器科部長の永田真樹先生にお話をお聞きしました。

ダビンチ®
ダビンチ®

ダビンチ®は、アメリカで開発された最新鋭の手術支援ロボットです。正式には「内視鏡手術支援ロボット」と言われます。

ダビンチ®は主に“ロボット部”と“操縦席”で構成されています。

ダビンチ®には、3本のアームとカメラがロボット部の先端についています。ここに、メスや鉗子(血管を挟んだりする、刃のない手術器具)を取り付けていきます。次に、これらを2本の「マスターコントローラー」と「フットスイッチ」で動かしていきます。マスターコントローラーは手で、フットスイッチは足で操作していきます。この操作によりロボット部のアームとカメラが動いていきます。
なお、ロボット手術は進化を続けており、現在のダビンチ®では、座ったままでも操作が可能となっています。これにより、手術をする医師の負担が大きく軽減されました。

執刀医は、アームをまるで自分自身の手のように自由自在に動かしていくことができます。また、ダビンチ®のアームは人間の手首をはるかに超える可動域を誇り、540度の回転が可能です。さらに、人間よりも繊細な動きができます。
これらの機能により、従来の手術と比較して正確性を向上させることが可能になりました。また、手ブレ防止機能も備わっているため、安全性も飛躍的に向上しています。

ロボット部の先端についたカメラでは、患者さんの体内を立体的な3Dの術野として映し出すことができます。これは、最高10倍まで拡大することも可能です。さらに、この三次元画像は、高解像度のHDビジョンを用いることにより、術野を細部まではっきりと映し出することができます。

従来の腹腔鏡下手術では三次元の画像を見ることができませんでした。そのため、奥行が判断しづらいという難点がありました。しかし、ダビンチ®の開発によってこの立体化された映像を出すことができるようになったため、奥行を見ながら精度の高い手術をすることが可能になりました。

「デュアルコンソール機能」とは、2人の医師が同時に手術を実施できることをいいます。この機能を使うことで、2人の医師がタッグを組み、より正確で迅速な手術に臨むことができます。また、常に指導をしながら安全に手術を行うことができるため、デュアルコンソール機能は教育システムとしても非常に有用です。

ダビンチ®では1秒間に100万回を超える安全性チェックが実施されています。それにより、常に装置の安全性・信頼性を確認することができます。

※ダビンチ®の画像は、インテュイティブサージカル合同会社ウェブサイトより許可を得て転載しております。

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