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切迫早産の原因とは?―子宮のはり・収縮はなぜ起こるのか
出生後の感染症や後遺症などが懸念される「切迫早産」は、症状に自覚がない場合もあります。そのため、原因を理解して予防することも大切です。引き続き、浜松医科大学教授の金山尚裕先生にご説明いただきます...
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切迫早産の原因とは?―子宮のはり・収縮はなぜ起こるのか

公開日 2015 年 11 月 27 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

切迫早産の原因とは?―子宮のはり・収縮はなぜ起こるのか
金山 尚裕 先生

浜松医科大学医学部 産婦人科学 教授

金山 尚裕 先生

出生後の感染症や後遺症などが懸念される「切迫早産」は、症状に自覚がない場合もあります。そのため、原因を理解して予防することも大切です。引き続き、浜松医科大学教授の金山尚裕先生にご説明いただきます。

切迫早産の原因と症状、「子宮のはり・子宮収縮」とは?

正常の子宮は柔らかいのですが、子宮が石のように硬くなっていることを「子宮がはっている・子宮収縮」と言います。お産に近づけば近づくほど子宮がはりやすくなるのが通常で、最終的には陣痛や子宮口の変化・開大と子宮収縮が伴い分娩が行われます。しかし、切迫早産においては、何らかの原因によって子宮頸管に炎症が発生し、それが子宮のはり・子宮収縮を引き起こすのです。

実際に診察していると、一般的には「はりが不規則で休めば治まる程度」であれば、問題ないという方が多いです。しかし、全くはりなどの自覚症状がなく、実際にはりはないけれど自然に子宮頸管が短くなってしまう方(子宮頸管無力症)もいます。また、はりの訴えがあり頻繁に外来を受診してもほとんど変化のない方もいます。このように、症状の幅は非常に広いです。

「子宮のはり・子宮収縮」を引き起こすのは「炎症」であることが多い

切迫早産を引き起こす原因である子宮頸管の軟化・子宮のはりですが、なぜこのはりが起きるのかについては分かっていない部分もあります。ただ、可能性として「炎症」が関与しているのではないかということが強く疑われています。

炎症を引き起こす代表例が感染です。腟内に雑菌が増えたり(細菌性腟症)、感染したりすることによって、子宮頸部に局所の炎症(子宮頸管炎)がおこります。その炎症が絨毛膜や羊膜まで拡大(絨毛膜羊膜炎)して、切迫早産を引き起こすのです。本来、腟内・子宮頸管には細菌感染に対する防御機能が存在し、子宮を守ってくれています。しかし、これらの機能が何らかの要因によって働かなくなり感染することで、炎症を引き起こします。

ただし、なぜこのような炎症を起こしてしまう方と起きない方がいるのかについては、不明な部分も多いのです。

どんな方が切迫早産になりやすいの?

切迫早産には、いくつかのリスク因子があると言われています。

  1. 過去に早産もしくは切迫早産になった方
    体質的に炎症を引き起こしやすい素因や子宮頸管が軟化しやすい体質があるのではないかと考えられています。
  2. 円錐切除を行った方
    そもそも子宮頸管長が短縮してしまう上に、切除されることにより炎症を起こしやすくなってしまいます。
  3. 喫煙者
    タバコを吸うことにより、免疫力が低下し炎症を起こしやすくなるためと考えられています。
  4. 各種ストレスや長時間労働や重労働など
    「はりやすい生活」がそのまま切迫早産に繋がるものと考えられます。実際に、仕事を休んだだけで切迫早産が改善する方もいます。
  5. 多胎の妊娠など
    双子は平均36~38週に陣痛が発来し、順調にいっても早産の場合が多いのです。
  6. 腟内環境の悪化
    正常な腟には乳酸菌がおり、PH4.0と弱酸性の環境が保たれています。それによって腟内の雑菌が増えないようになっているのですが、ストレスや何からの原因で乳酸菌が減少すると雑菌が繁殖し細菌性腟症などの病気を引き起こします。
  7. 子宮頸管の炎症のリスクを高めるポリープや絨毛膜血腫などの原因により出血している方。子宮頸管の周辺に出血がある場合。
  8. 子宮筋腫、子宮腺筋腫などを患っている場合
    これらは子宮筋が厚くなるためお腹がはりやすい原因となります。
  9. 虫歯・歯周病を患っている方。

乳酸菌の減少が炎症・切迫早産のリスクを高める?

最近の研究では、腟内の乳酸菌が減ることによって炎症・感染を起こしやすくなると言われています。乳酸菌を減少させる要因としては以下が考えられます。

  • 各種ストレス
  • アンバランスな食生活(腸内細菌叢が悪い)
  • 喫煙
  • 温水式洗浄器の使いすぎ

温水式洗浄器を多く利用することで、肛門に当たった洗浄水が腟に入り、大腸菌などを運んでしまうリスクがあります。また、妊娠中の性交についての質問がよくあります。精液自体が子宮収縮を起こす可能性があるため、避妊具の着用をお勧めします。

浜松医科大学の第一期生として医学部を卒業後、産婦人科に入局。1999年に同大学産婦人科学の教授となり現在に至る。羊水塞栓症、早産、不妊症などの第一人者として臨床・研究に従事。また臨床や研究にとどまらず、新たな診断ツール、ウェラブルオキシメーターやアルギニンと葉酸のサプリメントの開発など産学連携にも積極的に取り組む。

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