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インタビュー

性感染症は誰でも感染する可能性がある。だからからこそ、正しく怖がる必要がある

性感染症は誰でも感染する可能性がある。だからからこそ、正しく怖がる必要がある
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

かつて性病(STD)と呼ばれていた性にまつわる病気は、性感染症(STI)という名称で呼ばれるようになりました。しかし、性感染症という言葉に対する後ろめたいイメージは以前と変わらない、という方が多いのではないでしょうか。確かに、家族や親しい人に対してであっても、性にまつわる話は非常に話しにくい内容です。

性感染症とどのようにして向き合ったらいいのか、長年にわたり性感染症の治療を続けてこられた尾上泰彦先生に教えていただきました。

性感染症の検査は、性感染症科(性病科)・婦人科・泌尿器科・皮膚科などで受けることができます。検査の項目や日程などに制限がありますが、保健所でも検査が可能です。 時間がない、他の人に知られずに検査を受けたいという方には、郵送による検査キットもあります。

みなさんにお願いしたいのは、性行為後に体に異変を感じたら、なるべく早く専門医による検査を受けてほしいということです。現代はインターネットで様々な情報を手にすることができる時代となりました。しかし、手にした知識に振り回されてしまい、心が不安でいっぱいになり、かえって不幸になってしまう患者さんが大勢いらっしゃいます。

性感染症の多くは感染していても症状が出ない、出たとしても気がつきにくいことが多いです。そのため知らないうちにパートナーも感染させてしまうことがあります。症状が出ることは早期発見・早期治療へとつなげることができるので、かえってラッキーなのです。 性感染症はかつてのパートナーや性産業等が感染源となることもあります。感染しているにも関わらず症状が出ないでいると、家庭内に性感染症を持ち込んでしまう恐れがあります。

不妊症の原因は、すべて女性側にあると言われていた時代がありました。性器クラミジア腟トリコモナス症などの原因となる菌や微生物は、子宮内部や卵管などの子宮周辺部位に侵入して、卵管炎や子宮内膜症などを引き起こすことがあります。家庭内に性感染症を持ち込むことは、不妊症の原因を持ち込むかもしれないということなのです。

男性と女性、それぞれがパートナーと出会って生じる性感染症ほど、人間性豊かな病気はありません。しかしこの性感染症は、パートナーに迷惑をかけ、そして人生に影を落とすこともある病気です。

性感染症は体に症状があらわれないことが多いです。性感染症は誰でもかかる可能性のある病気です。そして再発の可能性もあります。早期発見・早期治療につなげるためにも、特に以下のような人生の節目にあたったときにはSTI検診を受けて、性感染症になっていないかを確認することをお勧めします。

〇新しいパートナーができた

〇結婚を控えている

〇父親・母親になる

性の健康を守るのは、他でもない自分自身です。

ここからは性感染症の治療に携わる方々へのメッセージとなります。 「自分はどういった病気にかかっているのか」「完治するのか」「子どもはできるのか」さまざまな不安と心の傷を負った状態で、患者さんは来院します。

症状が性感染症によるものかを判断するには、検査だけでなく医師による問診が必要となります。患者さんの私生活に関することも多いので、医師側も問診に慣れていなければ聞きにくいこともあります。しかしここで医師が緊張してしまうと、心に傷を負った患者さんとコミュニケーションを取りづらくなってしまい、結果として患者さんの心を開くのが難しくなってしまいます。

医師の皆さんは、勇気を出して受診してきた患者さんの覚悟に責任をもって応える責任があると考えています。

これはあくまでも私の体感ですが、何かしらの性感染症になっていた方のなかでパートナーも検査に訪れるのは約30%、陽性反応がみられるのはこのうち30%前後です。

心に傷のある患者さんに必要なのは「愛のある言葉」です。来院された患者さんの心は不安でいっぱいです。患者を優しく迎えて、治療内容や料金体系、そして治癒判定や再検査の重要性について丁寧に説明して不安を取り除くことが、患者さんの心の傷を癒す第一歩になります。また、患者さん自身が身に着けた性感染症の知識で不安に駆られているのであれば、その知識を柔軟に修正する必要もあります。

患者さんのプライバシーに配慮をしつつも、積極的に心に響く説明や指導を行い、信頼関係を築く。それが患者さんとそのパートナーの検査や治療、ひいては性感染症の再発防止へとつながるのです。

性感染症を専門とする医師は、わが国においては非常に少ないというのが現状です。そのために、性器に症状が現れたとしても何科に行けばいいのか、ほかの病気のようにすぐにはわからない。そして性感染症に対して「後ろめたい病気」というイメージが依然としてあるため、受診するにもためらいが生じてしまいがちです。

性感染症が抱えるこれらの問題の解消には、性感染症に対する正しい知識の発信と、性感染症を専門に扱う医師の育成、そして耳鼻科医の積極的な参加が必要です。 近年ではオーラルセックスが当たり前となっているために、性器のみでなく咽頭への感染例も増加傾向にあります。しかし性感染症に対して関心度が高い耳鼻咽喉科医はそれほど多くはありません。

耳鼻咽喉科の医師による口腔咽頭感染の検査・治療がより積極的に行われるようになれば性感染症とその再発を激減させることが期待できます。

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  • プライベートケアクリニック東京 院長

    尾上 泰彦 先生

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