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水虫の原因-どのように感染していくのか
水虫は白癬菌という真菌、つまりカビが原因となって起こる皮膚感染症です。温泉や公衆浴場などでうつることが多いと言われている水虫は、どのようにして感染するのでしょうか。白癬菌の性質や感染のメカニズム...
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水虫の原因-どのように感染していくのか

公開日 2016 年 02 月 23 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

水虫の原因-どのように感染していくのか
佐藤 友隆 先生

帝京大学ちば総合医療センター皮膚科 准教授/慶應義塾大学 非常勤講師

佐藤 友隆 先生

水虫は白癬菌という真菌、つまりカビが原因となって起こる皮膚感染症です。温泉や公衆浴場などでうつることが多いと言われている水虫は、どのようにして感染するのでしょうか。白癬菌の性質や感染のメカニズムなどについて、北里大学北里研究所病院皮膚科部長の佐藤友隆先生にお話をうかがいました。

感染のメカニズム

白癬菌はケラチンというタンパク質を栄養分として、皮膚の角質や爪、頭髪などで増えていきます。パラサイト(寄生菌)は永住の地を探して、そこに住むために進化してきています。皮膚についてもすぐに落ちてしまうような環境では安定しませんから、最後に爪を目指すのだと考えられます。爪に入ればひと安心というところでしょう。実際、水虫を再発している方は、爪白癬になっている場合が多くみられます。

実は白癬菌は宿主を選んでいて、宿主の好みによって、ヒト好性菌・動物好性菌・土壌好性菌の3つにわかれています。基本的に人につくのはヒト好性菌なのですが、私が専門として症例を報告しているのは動物由来菌です。一般の方にはほとんど知られていませんが、菌が動物から人につくことはしばしばあり、獣医さんなどはそのことを意識しています。

人同士でなく、動物(ペット)からうつることもある

水虫は人から人へというイメージがあるかもしれませんが、たとえば猫からもらってしまうようなこともありますし、動物由来もあれば、土由来の場合もあります。ヒト好性菌だけであれば顕微鏡で直接見るだけでも診断が下しやすいのですが、動物由来や土由来の可能性があるときには菌を決める、つまり培養して菌を同定するということが重要になります。また、ペットを飼っているかどうかということも問診で必ず訊いておかなければなりません。

水虫の感染経路については、東京医科歯科大学におられた加藤卓朗先生が「フットプレス法」という独自の方法で調査をされています。それによれば、たとえば温泉の脱衣所などの公共の場所で、感染していない人が歩きまわった後に足の裏を寒天培地につけると、そこに白癬菌が増えるということがわかっています。

つまり、感染していない人の足でも、皮膚の角層に白癬菌が付着してしまうということです。ただし、角層についたからといって感染が成立するわけではありません。正常な角層であれば、24〜48時間のうちにきれいに拭きとって乾燥させれば感染しないと考えられています。

かゆみ症状がある人ほど早く治る

皆さんがイメージしている「かゆい水虫」は、初感染の方に多くみられます。宿主に寄生するパラサイトは、いかに気づかれずに同居するかということに長けていますが、間違った相手―たとえば前述の動物好性菌がヒトについてしまった場合、排除機能が働いて炎症が激しくなってしまいます。激しいかゆみは治そうとする生体の反応によって起こっているものですから、逆に言えばかゆい人ほど早く治るとも言えます。

悪化しやすい季節は?

白癬菌はカビですので、夏場など高温多湿な気候が続くときには悪化しやすいと考えられます。その一方で、角質増殖型では冬場など乾燥する時期に角質が割れて痛いといった症状を訴えて受診する方がいますが、これは白癬の症状そのものが悪化しているというわけではありません。

感染しやすい人・悪化しやすい人とは

次のような条件に当てはまる方は、水虫(足白癬)にかかりやすく、悪化させやすい傾向があります。

  • 足趾(そくし・足の指)が太く、指同士が接触しやすい
  • 体温が高く、汗をかきやすく靴の中の湿度が高い
  • 糖尿病による末梢の血行不良・感覚障害がある(気づきにくい)

男性と女性で水虫の感染しやすさに差はありませんが、同じ教室にいても風邪をひく人とひかない人がいるように、たとえば夫の水虫が妻には感染せず子どもには感染するということがあります。これは夫婦間で遺伝子のタイプが異なるためです。同居している家族でも必ず全員が水虫になるとは限りませんし、夫婦間で逆になるパターンもあります。

同様に、合宿生活であっても全員が水虫になるというわけではありません。ただし、ある全寮制の中・高一貫校での調査研究では、やはり24時間生活を共にしているため通常よりも水虫に感染しやすかったという報告があります。この場合には、初感染で免疫が激しく発動するタイプである小水疱型が多くみられました。

年齢的な要因としては、爪白癬は高齢になるほど明らかに多くみられます。ただし、小児でも爪白癬になりやすい爪質のお子さんがいます。これはおそらくケラチンの質に遺伝子的な違いがあるからではないかと考えられています。

 

鹿児島大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部特別研究助教や独立行政法人国立病院機構東京医療センター皮膚科医長などを務め、現在は北里研究所病院皮膚科部長として活躍している「皮膚真菌症」のエキスパート(2018年1月より帝京大学ちば総合医療センター皮膚科准教授)。皮膚真菌症の鑑別診断を得意とし、幅広い臨床経験を持っている。

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