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代表的な皮膚真菌症「水虫」とは
水虫は昔からある皮膚疾患のひとつですが、西洋文明とともに革靴を履く生活様式が持ち込まれたことによって広まったという側面があります。水虫がいわゆる「虫」によるものではないということは知られています...
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代表的な皮膚真菌症「水虫」とは

公開日 2016 年 02 月 22 日 | 更新日 2017 年 10 月 30 日

代表的な皮膚真菌症「水虫」とは
佐藤 友隆 先生

帝京大学ちば総合医療センター皮膚科 准教授/慶應義塾大学 非常勤講師

佐藤 友隆 先生

水虫は昔からある皮膚疾患のひとつですが、西洋文明とともに革靴を履く生活様式が持ち込まれたことによって広まったという側面があります。水虫がいわゆる「虫」によるものではないということは知られていますが、その正体がカビによる感染症であるということや、足以外にもできるといったことはあまり知られていないのではないでしょうか。水虫とは何なのか、その正体について北里大学北里研究所病院皮膚科部長の佐藤友隆先生にお話をうかがいました。

「水虫」は皮膚真菌症のひとつ

真菌症には次のようないくつかの種類があります。

  • 白癬(はくせん):水虫、インキンタムシ(股部白癬)など
  • カンジダ症
  • 癜風(でんぷう)

皮膚真菌症の原因菌のトップは白癬菌であり、次いでカンジダ、癜風(マラセチア)の順となっています。

「水虫」とは-白癬菌による感染症

いわゆる「水虫」とは、皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)のことです。医学的にはこれを「白癬(はくせん)」といいます。

一般には水虫といえば足にできるものを思い浮かべる方が多いでしょう。たとえば製薬会社のプロモーションなどでは、爪白癬のことを「爪水虫」と呼ぶことがありますが、手の「爪水虫」というものもありますので、必ずしも足に限った病気ではありません。

足の水虫の治療薬は、股にできるインキンタムシ(股部白癬)にも効きます。これはどちらも原因菌が同じだからです。では、水虫の原因菌の正体は何でしょうか。

よくある誤解として、水虫というと、何かそういう「虫」がいるように思っている方もおられます。患者さんにご説明する際には、「黴(カビ)」が原因であるということをまずお伝えします。感染症には違いないのですが、それが細菌でもウイルスでもなく真菌=「黴(カビ)」だということが、まず大事な点です。

真菌(しんきん)は糸状菌=黴(カビ)と酵母の2種類に分かれます。水虫というのはそのうちの糸状菌が原因となります。カンジダはそれとは対極にあって、酵母の形もとりますので、培養したときの姿がまったく違います。皮膚糸状菌はケバケバしていて、カンジダはしっとりしていますので、それを見ればはっきりと違いがわかります。

KOH直接鏡検(顕微鏡で直接観察)

シャーレで4週間培養

患者さんも自分の皮膚から生えたカビを見ると治療意欲が湧くということがあるため、鏡検(きょうけん)といって顕微鏡で拡大した糸状菌の様子や、培養したものをご覧いただくことがあります。

 

水虫の検査について詳しくはこちら

カビだということをイメージできると、予防や治療についてもイメージしやすくなります。みなさん風呂場のカビ退治などの経験がありますから、湿気の多い時期に増えやすいことや、24時間換気せずに湿気のこもった環境にあることがよくないので、換気をして乾燥させるとカビが生えないといったことをよく分かっていただけます。

そのことを納得していただけたら、今度はそれを足の環境に置き換えて考えてみます。そうすると通気性の悪い革靴が良くないといったことが、実感としてわかっていただけると思います。

白癬は足だけでなく、手や爪、股部、頭部、そのほかの部分にできるものもありますが、基本的には同じ薬(抗真菌薬)で治療できます。白癬ができる部位としては足が6〜7割を占めていてもっとも多く、足白癬の方のうち爪白癬も同時にかかっているという方が2割程度います。

しかしその一方で、水虫を訴えて受診される自称水虫の患者さんのうち、およそ3割は水虫(足白癬)ではなかったという報告もあります。受診される患者さんの中には水虫の市販薬を塗っていますという方がたくさんおられますが、皮膚科医の目と顕微鏡で見て、今現在水虫があるかという点をみることが重要です。

 

水虫の治療について詳しくはこちら

水虫の種類

足の水虫(足白癬)には「趾間(しかん)型」「小水疱(しょうすいほう)型」「角質増殖型」などの種類があります。しかし、それぞれのタイプにきれいにわかれることは少なく、複数のタイプがオーバーラップしている場合が多いのです。とくに角質増殖型にかかっている人には爪白癬も多くみられます。

 

水虫の種類と症状について詳しくはこちら

 

 

鹿児島大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部特別研究助教や独立行政法人国立病院機構東京医療センター皮膚科医長などを務め、現在は北里研究所病院皮膚科部長として活躍している「皮膚真菌症」のエキスパート(2018年1月より帝京大学ちば総合医療センター皮膚科准教授)。皮膚真菌症の鑑別診断を得意とし、幅広い臨床経験を持っている。

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