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インタビュー

公開日 : 2016 年 09 月 02 日
更新日 : 2017 年 12 月 05 日

「腰痛の原因」と聞くと、日ごろの姿勢や無理な動作など、物理的な腰へのストレスを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし近年の研究により、職場・家庭の問題などの心理的ストレスや痛みへの過度な恐れ・不安が、脳を悲観的な状態へと変え、慢性腰痛の引き金となることがわかってきています。一方、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授の松平浩先生のチームは、被験者にストレスを感じるような課題を与え、動作時の腰への負担の増減を計測する実験を実施されています。本記事では様々な研究・実験により得られた科学的根拠を示しながら、ストレスと腰痛の関係と、腰痛によるパフォーマンスの低下などの労働損失についてお話しいただきました。

腰痛の「生涯有病率」は80%以上! 国民病ともいえる問題

一生のうちに腰痛を1回以上発症する日本人の割合を示す「生涯有病率」は、私が主導した大規模研究により、欧米と同様80%以上にものぼることがわかりました。また、厚生労働省が実施している国民生活基礎調査によると、日本の外来通院理由のうち腰痛は女性では第2位、男性では第4位となっています。これらのデータから、日本において腰痛は「国民の問題」といっても過言ではない疾病と捉えることができます。

※「腰痛」とは、正しくは疾患名ではなく症状の総称です。

仕事に支障をきたすほど悩んでいるのはあなただけではない! 腰痛による多大な労働損失

「腰の痛みにより仕事のパフォーマンスが落ちた」という経験をお持ちの方も少なくはないでしょう。

大和総研・宮内久美氏のレポート(2015年6月8日)によると、「腰痛・首の痛み」は「最も就労に影響している症状」として、世代を問わず1位~2位という高い順位を占めています。また、腰痛による1人あたりの1か月の労働損失に目を向けると、「プレゼンティズム」(出社しているが、何らかの不調があり業務効率が落ちている状況)による損失が、病欠を示す「アブセンティイズム」による損失と比べて大きいことがわかっています。

この「プレゼンティズム」という概念は、最近になり大企業の人事を担う方などの間では重視されるようになり始めましたが、職場のメンタルヘルスが増加している今、益々注視されていくべきものであると考えます。

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