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第45回日本集中治療医学会学術集会レポート−会長講演と本学術集会のハイライト

第45回日本集中治療医学会学術集会レポート−会長講演と本学術集会のハイライト
織田 成人 先生

千葉市立海浜病院 副院長、救急科統括部長

織田 成人 先生

この記事の最終更新は2018年03月30日です。

去る2018年2月21日〜23日、千葉市幕張メッセ他にて第45回日本集中治療医学会学術集会が開催されました。この学術集会では、特別講演や2008年より恒例となっている岩月賢一記念講演を含め、全1,687演題の発表が行われました。

今回は、学術集会初日に行われた第45回日本集中治療医学会学術集会会長の織田成人先生(千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学 教授)による会長講演を元に、学術集会のみどころや千葉大学医学部附属病院救急科・集中治療部の取り組みについてレポートします。

はじめに私が教鞭をとります千葉大学医学部附属病院救急科・集中治療部についてご紹介します。当院は全850床あり、そのうち当診療科で管理している病床数は32床です。その内訳は、ICU(集中治療室)が18床、CCU(冠疾患治療室)が4床、一般病床が10床です。(2018年2月現在)

当診療科は、現在集中治療専門医やそれを目指す医師17名の他、さまざまなメディカルスタッフによって構成されています。

<メディカルスタッフの内訳(2018年2月現在)>

  • 看護師……82名
  • 臨床工学技士(専任)……3名
  • 理学療法士……4名
  • 薬剤師……2名
  • 栄養管理士……2名
  • 臨床検査技師……1名

当院の救急科・集中治療部は、救急と集中治療を兼務しています。2017年1年間のICU入院患者数は1,827人で、当院の手術室、ER(救急室)や一般病床から来る重症患者さんのほか、他病院からの重症患者さんも受け入れています。また毎日朝・夕の2回カンファレンスを行い、多職種連携を実践しています。

当診療科のミッションは「ひとりでも多くの重症患者さんの命を助けること」です。これを実現するために「FAST」という行動目標を掲げています。

<同院救急科・集中治療部が掲げる行動目標>

  • F:For Others
  • A:Academic Critical Care
  • S:Speed and Safety
  • T:Team Work

当院の救急科・集中治療部では、ひとりでも多くの患者さんの命を助けるためにさまざまな取り組みを行っています。もともと持続的血液濾過透析(CHDF)*に注力してまいりましたが、近年はECMO*の導入にも力を入れています。

CHDF……24時間以上持続的に血液濾過透析を行う血液浄化法

ECMO……人工肺やポンプを用いた体外循環回路による呼吸・循環補助療法

<同院救急科・集中治療部の主な特徴>

  • IL-6迅速測定:2000年4月より診断、重症度評価と治療目標、治療効果の判定
  • サイトカイン吸着ヘモフィルタを用いたCHDF
  • 血中乳酸値を指標にした循環管理
  • V-V・V-A ECMOの積極導入
  • 多職種による臨床実践 など

(写真ご提供:織田先生)

当院の救急科・集中治療部では、一歩進んだICUを作るために多職種で連携したチーム活動を行っています。2018年2月現在は下記のようなチームが活躍し、教育や講習、研究論文の発表などを行っています。

<同院救急科・集中治療部の主なチーム活動>

  • ECMOチーム
  • ICU栄養チーム
  • METワーキンググループ
  • ICU小児チーム
  • せん妄チーム
  • TRAUMAチーム
  • 救急外来多数傷病者対応チーム
  • COMET(Chiba Outreach MET)チーム など

これらのチーム活動の先駆けとなったのはECMOチームです。日本は欧米と比較するとECMOの成績が悪く、特に肺、呼吸に関するECMOに大きな課題がありました。そこで、2012年に医師だけでなくメディカルスタッフを交え、アメリカのミシガン大学ECMOセンターなどで研修し、その後にECMOチームを結成しました。ECMOチームはさまざまな取り組みを行い、ECMOに対する知識や症例数を増やす努力をしています。

私は全てのチーム活動に参加することは難しいのですが、教授として各チーム活動の報告に対するアドバイスやサポートを積極的に行っています。

第45回日本集中治療医学会学術集会は「一歩先へ−One Step Forward」をテーマとしました。この「一歩先へ」という言葉は私自身が好きな言葉でもあり、「つねに、より高きものをめざして」という千葉大学の理念にも通じています。

本学術集会の総応募演題数は1,769題にも上りました。また海外公演も18題あり、そのうち10題の講演は同時通訳を用意しています。

次に本学術集会のみどころについてお話します。当学術集会では3つの特別講演を開催します。それぞれのラインナップは下記のとおりです。

初日である2018年2月21日は、国立研究開発法人量子化学技術研究開発機構 理事長 平野俊夫先生による講演を行います。

会長講演平野先生.JPG

2日目となる2018年2月22日は、千葉大学名誉教授であり、私の恩師でもある平澤博之先生による講演を行います。

最終日2018年2月23日は、コロンビア大学の加藤友朗先生による講演が行われます。

会長講演加藤先生.JPG

今年は、市民公開講座でも敗血症を取り上げ、医療者の視点から見た敗血症だけではなく、実際の患者さんによる闘病の経験談を交えた発表を予定しています。

会長講演市民公開講座.JPG

岩月賢一先生は元東北大学麻酔科教授であり、1968年に国立大学で初の集中治療部を創設された先生です。日本集中治療医学会学術集会では、2008年より、集中治療分野で功績を残した先生に「岩月賢一記念講演」と題し、講演をお願いしています。

2018年は信州大学名誉教授 救急集中治療医学の岡元和文先生による、集中治療の歴史や発展に関する「集中治療のプロフェッショナルになる!」という講演を行います。

岡本先生・織田先生

 

第45回日本集中治療医学会学術集会については下記の記事も併せてご覧ください。

会長インタビュー『第45回日本集中治療医学会学術集会を終えて』

『日本集中治療医学会医師と学生による座談会‐第45回日本集中治療医学会学術集会について』

『日本集中治療医学会医師と学生による座談会‐集中治療医学の発展と課題』

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  • 千葉市立海浜病院 副院長、救急科統括部長

    織田 成人 先生

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