バージャー病は、手足の血管が閉塞し、手足の冷えやしびれ、痛みなどの症状があらわれる難病です。発症の原因は現在も不明ですが、女性に比べ男性患者が圧倒的に多いのが特徴です。バージャー病について詳しく先端医療センター研究所の田口明彦先生にお話を伺いました。
バージャー病とは、手足の血管がふさがり、さまざまな症状があらわれる病気です。
発症は30歳代から40歳代の男性に多く、詳しい原因は不明ですが、血管の炎症(血管炎)が関係しており、発症には喫煙が大きく関与していると考えられています。
以下の項目ではバージャー病の初期の症状から解説いたします。ただし、動脈硬化性の血管閉塞や膠原病などでも、バージャー病と同じような症状が出現しますので、症状からだけで自己判断するのは危険です。
バージャー病では手足の血管のふさがりにともない、指先などが虚血状態(きょけつ:動脈血の流入が減少または途絶える)になります。虚血状態になると、手足の冷えや、しびれといった虚血症状や皮膚色調の変化(蒼白、虚血性紅潮など)がみられます。
足に虚血症状がでると間欠性跛行(かんけつせいはこう)がみられます。
間欠性跛行とは、歩いていると足が痛くなり、歩けなくなることです。しかし、少し休むとまた歩けるようになり、それを繰り返す症状です。
指先の冷感の次に、疼痛があらわれます。安静にしているときでもズキズキとした痛みや、うずくような痛みが生じます。
バージャー病の症状が進行すると潰瘍*ができることがあります。
血管のふさがりによって血流が届かなくなることで日常生活のなかで指先にできた小さな傷が、治りにくくなってしまいます。その傷を放置していると傷口がどんどん大きくなり、潰瘍を形成します。
粘膜や皮膚の表面が炎症を起こしてくずれることでできた傷が、深くえぐれたようになった状態
潰瘍が悪化すると指が壊死(えし:組織または細胞が死ぬこと)します。壊死はバージャー病が重症化していることを指します。
バージャー病の検査ではまず四肢末梢動脈の血圧測定や、超音波検査を行います。バージャー病にかかっている場合、血管がふさがっているため、手首や足首の脈が測りにくくなり、血圧検査の際に脈圧(みゃくあつ:血圧の最高値と最低値の差)の低下がみられることが多くあります。また、超音波検査では、四肢末梢動脈の血流や血管の状態を評価します。ただし、動脈硬化性の血管閉塞や膠原病などでも、脈圧の低下や血流の低下が起こりますので、これらの検査だけでは、原因疾患の鑑別ができないことがあります。
動脈の閉塞部位や程度はMR angiographyやCT angiographyによって、ある程度は判断できますが、外科手術を考慮するなど詳細な評価が必要な時は、血管造影検査*を行います。画像診断では、血管の状態を視覚的に確認し、どの部分がどのようにふさがっているかを検査します。また、動脈硬化性の血管閉塞や膠原病などとの鑑別にも、画像診断(特に血管造影検査)が有効です。
血管造影検査とは、血管の状態や血液の流れを調べるために太ももの付け根や腕の動脈にカテーテルを通し造影剤を血管に流してX線撮影をする検査
2018年2月現在、血液検査ではバージャー病の特徴的な検査はありません。そのため、血液検査でバージャー病を発見することはできません 。
バージャー病では5項目から診断をします。
<バージャー病の診断基準>
しかし、これらの項目すべてに当てはまらないと、バージャー病と診断されないわけではありません。患者さんのなかには5項目のうち、3項目を満たしている状態で、バージャー病と診断されている方もいます。
また、女性や喫煙歴がない方は、バージャー病以外の病気である可能性もあるため、鑑別を厳密に行います。
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