社会医療法人 鴻仁会 岡山県岡山市にある岡山中央病院は、1951年に金重医院として開業した病院です。開院当時は18床の有床診療所でしたが、徐々に規模を拡大し、2018年5月現在は、162床を有しています。
半世紀以上にわたって地域を支え続ける岡山中央病院では、現在どのような取り組みが行われているのでしょうか。院長である金重 総一郎先生にお話を伺いました。
岡山中央病院は、泌尿器科と産婦人科、救急を中心に診療を行っている病院です。急性期医療が主軸となっていますが、同法人内に回復期病棟、緩和ケア病棟を持つ奉還町病院や外来診療を行うクリニックを擁しており、幅広く患者さんに対応しています。
地域では高齢化が進んでおり、求められる医療も変化しつつあります。そうした流れにも対応できるよう、11の診療科を構えて地域のニーズに合わせた診療の展開に努めています。
当院はもともと産婦人科と泌尿器科の医師が始めた病院であるため、その2つの診療科を伝統的に強みとしています。
産婦人科はもともと分娩を中心に取り扱っていましたが、婦人科疾患の患者数も徐々に増えて来ました。近年では、術後の痛みや患者さんの体の負担も軽い腹腔鏡手術を積極的に行っております。
当院の泌尿器科では、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を1984年の国内導入から間もない、1987年に導入した実績があり、現在でも数多くのESWL治療を行っています。
また、最近は女性の泌尿器科疾患の診療にも力を入れており、子宮下垂などに対する手術件数も多くなっています。
また以前は、泌尿器科は男性が受診する診療科というイメージが強く、女性は受診しにくい雰囲気がありました。そこで当院では、泌尿器科をはじめとした婦人科や乳腺外科などの機能もあわせたウィメンズメディカルセンターを設立するなど、女性が安心して受診できるように工夫しています。
もともと産婦人科と泌尿器科の2科を強みとしていましたが、先代の岡部亨院長の時代からは救急にも力を入れています。当院では真っ当な二次救急をスローガンに一次から三次救急の一部を引き受けています。
もっとも多い症例は外傷や尿管結石であり、それに次いで脳卒中が多くなっています。また、この規模の病院ではめずらしい日本救急医学会認定の救急科専門医が2名、常勤医としてすべての救急患者さんに対応しています。
当院は2018年8月に隣接する放射線がん治療センターを設け、呼吸などで動くがん腫瘍を追尾して放射線を照射できる高精度X線治療機を導入した治療を行っています。同センターの開設以前は、地域で高精度な放射線治療ができる病院が少なく、受けられるはずの治療が受けられない状態でした。
この治療機であれば、ピンポイントの放射線照射や強度変調放射線治療(IMRT)が可能であり、治療期間の短縮も期待できます。侵襲が少なくて済むため、高齢の患者さんに対しても選択しやすい治療方法となっています。
現在、病院と外来部門、透析施設、リハビリテーション部門が別々の病棟にある状態ですが、これを2020年に統合したいと考えています。同法人内には検診センターや訪問看護ステーションもあるため、予防から入院、在宅、リハビリテ―ションと幅広い医療ニーズに一手に対応できる体制を整えたいと考えています。
地域で在宅医療を行っている開業医は多いですが、重傷者の対応は難しい現状があります。そのため現在の機能はそのままいかしつつ、重傷者向けの在宅医療も展開していければと思います。また、訪問リハビリテーションにも力を入れていく予定です。
今後さらに高齢者が増え、それに伴って慢性期や亜急性期の患者さんが増えていきます。そうした患者さんをいかに地域のなかで受け入れていくか、地域全体で考えていかなくてはなりません。幸い近隣の診療所では、在宅に力を入れている先生も多く、地域の診療所ともさらに連携を強化し、地域のスローガンである「時々入院、ほぼ在宅」を目指し、機能分担を進めていければと考えています。
当院は、いわゆるコモンディジーズを幅広く診ることができます。また、大規模な病院でないぶん、重症患者、重傷救急患者や特殊な手技が必要な症例が発生すればすぐに呼んでもらえるため、リアルタイムに症例を経験することが可能です。
救急医療から一般内科まで、専門領域にとらわれずに広く診療する力を身につけたい方には、とても適している病院だと思います。
当院の理念は、「患者さんの満足を創造すること」。患者さんに「この病院に来てよかった」「ここの先生にみてもらってよかった」といっていただけることが、我々の1番の喜びです。
病気の治療は、必ずしもよい方向に行かないこともあります。しかし、そのようなときも患者さんに寄り添い、当院で診療を受けてよかったといってもらえるように、「あなたと共に」の精神を全職員が肝に銘じています。
当院では予防から病気になったあとまで、しっかりとサポートいたします。何かあったらいつでもご相談ください。
社会医療法人鴻仁会 岡山中央病院 院長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。