地域の方のニーズに応える地方独立行政法人さんむ医療センターの目指す医療

地方独立行政法人さんむ医療センターは千葉県山武市に病院を構えています。同院は、地域の方が住み慣れた場所で、健やかな生活を送るための医療提供に努めています。2010年には、地方独立行政法人の病院として新たなスタートを切り、地域の方のニーズに応じた医療を提供できる体制になりました。

地域の方のニーズに応じた医療提供を目指す病院とは、どのようなものでしょうか。病院長である篠原靖志先生にお話を伺いました。

地域の方の求めるがん治療の提供を目指して　

体への負担の少ないがん治療の提供

当院は、2016年に厚生労働省から、地域がん診療病院の認定を受けました。これは、隣接する医療圏のがん診療連携拠点病院と連携し、地域のがん診療を支える病院として、医療提供や相談支援を行う病院であると認められたことを意味します。

外科では、消化器がんに対し、腹腔鏡を用いた手術を提供しています。腹腔鏡手術は、傷口が小さく、痛みが少ないため、患者さんの体の負担の少ない手術とされています。

また、がん相談支援センターを設け、患者さんやご家族からのがんに関する相談に応じています。

今後とも、がん治療の提供だけでなく、患者さんの体の負担の少ない治療の提供に努めてまいります。

緩和ケアへの注力

緩和ケアでは、がんに伴う心と体の痛みを和らげ、自分らしく生きることをサポートしています。当院では、緩和ケア外来と緩和ケア病棟を有し、医師・看護師・栄養士をはじめとするスタッフが包括的にケアを行います。外来と病棟の連携で、患者さんが住み慣れた地域の中で、健やかに自分らしく生きるための医療提供に努めています。

地域の方のニーズに応える医療提供

地域での包括的な医療提供

近年、地域での包括的な医療提供の重要性が唱えられています。高齢の方は、けがや病気を契機に地域で生活を続けることが難しくなる場合があります。当院では、そのような場合でも医療提供体制を整備することによって、地域の方が住み慣れた場所で生活できるようなサポートをしたいと考えています。

当院は、2014年に地域包括ケア病棟を設置いたしました。地域包括ケア病棟では、病気が回復に向かっている患者さんの在宅復帰を目指し、医療提供を行います。具体的には、治療の継続とリハビリテーションの提供で、在宅復帰を支援します。

当院で手術された方だけではなく、他病院での手術後、症状が落ち着いた方の受け入れも行っています。当院での治療継続をご希望の方は、地域医療連携室が窓口になっておりますので、ご連絡ください。

在宅医療の提供

患者さんが可能な限り自宅で生活したいと望むことは当然の願いです。当院では、その願いを実現するために病院内に訪問看護ステーションを併設し、在宅療養を支援しています。

訪問看護では、看護師が患者さんの病状観察、点滴・採血などの処置から、ご家族の介護に関する相談にまで応じています。医師と連携を取り、24時間連絡体制を整備し、緊急の訪問にも応需しています。

これからも、患者さんやご家族のご希望に沿う形で在宅医療を提供し、在宅療養の支援に努めてまいります。

地域の方に信頼していただける病院を目指して

地域医療連携室では、治療に関するお悩みから在宅医療やリハビリに関するお悩みまで、医療ソーシャルワーカーが幅広く対応いたします。お悩みを抱えた際には1人で悩まず、ぜひ地域医療連携室をご利用ください。

若手医師の皆さんへのメッセージ

若手医師の皆さんは、多岐にわたる病気を診ることが臨床能力の向上につながります。当院では、医師が一人ひとりの患者さんに、じっくりと向き合う環境が整っています。このような環境で研鑽を積むことは、皆さんの成長に結びつきます。

また、当院ではチーム医療を重視しており、医師・看護師・コメディカルが連携し、地域医療に取り組んでいます。若手医師の皆さんにもチームの一員として、経験を積んでいただきたいと考えています。

臨床能力を高め、チーム医療に携わり、経験を積みたいという熱意を持つ方は、当院でともに地域医療の提供に励みましょう。

地域の方へのメッセージ

当院は、2010年に地方独立行政法人化をいたしました。これにより、地域の方のニーズに柔軟に対応し、持続的に医療を提供できる病院となりました。

当院は、地域の方が地域で健やかに暮らす支援をしたいと考えています。そのために、地域包括ケアの充実を目指し、これからも地域の方のニーズに応える医療提供に努めてまいります。