院長インタビュー

ケア・ミックス病院として、シームレスな地域医療に取り組む多摩丘陵病院

ケア・ミックス病院として、シームレスな地域医療に取り組む多摩丘陵病院
島津 元秀 先生

多摩丘陵病院 院長

島津 元秀 先生

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医療法人社団幸隆会 多摩丘陵病院(以下、多摩丘陵病院)は、東京都町田市北部にあり、“生きる力を支え合い、ぬくもりのある医療と看護を提供します”を理念に掲げるケア・ミックス型の病院です。地域包括ケアシステムを早くから取り入れ、病気の治療だけではなく介護なども含めて患者さんの生活を支える医療の在り方を模索しています。同院が注力している地域医療連携や、各診療科の強化について、院長の島津 元秀(しまづ もとひで)先生にお話を伺いました。

多摩丘陵病院 外観
多摩丘陵病院 外観

当院は、1982年に整形外科の個人病院として開院しました。以来、病床数を拡大し、急性期、回復期、慢性期、そして地域包括ケア病棟という4つの病棟機能を備えるケア・ミックス型の病院体制を構築しました。また東京都指定二次救急医療機関でもあり、地域救急医療の一翼を担っています。

“ほとんど在宅、ときどき入院”を実現させるためには、当院だけでなく周辺の医療機関や療養施設との連携が重要です。多摩地域における地域包括ケアシステムの整備を進め、地域医療に貢献してまいります。

当院の外科では、幅広い病気の手術について腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。2018年に当院で行われた手術のうち、鼠経ヘルニア手術55例中23例、胆嚢摘出術48例中44例、虫垂切除術28例中27例など多くが腹腔鏡を使って行われました。さらに当院は慶應義塾大学関連病院の認定を受けており、必要に応じて患者さんを紹介したり、大学病院から医師の派遣を要請できたりする連携体制が整っております。

当院の外科では肝臓、胆道、膵臓の専門外来を開設しています。当院は東京都肝臓専門医療機関に認定されているほか、私は日本肝胆膵外科学会が認める高度技能指導医の資格を有しています。専門外来では患者さんの状態に即した医療やサポートを行っています。

社会の高齢化が顕著となっている昨今、日本老年医学会認定施設である当院は慢性疾患や複数の疾患を抱える高齢の患者さん一人ひとりに応じた診療を心がけております。そのために院内では医師だけでなく多職種間での連携を、地域ではほかの医療機関との連携を進めながらの疾病管理に努めています。

当初は整形外科の個人病院として開院していたこともあり、当院はリハビリテーション科と連携しながら初期の診断や急性期、回復期、慢性期医療、そして在宅での健康維持のサポートまで、さまざまな病期に対応できることが強みです。

日本整形外科学会認定専門医を中心に脊椎疾患、関節疾患、外傷などの診療にあたる医師を配置し、保存的治療を基本としながら、必要に応じて手術や急性期の積極的なリハビリを組み入れています。さらに、リハビリチーム医療の強化と地域のケアマネジャーなど介護職との連携を進め、訪問リハビリを実施するなど退院後も患者さんの援助を継続します。

リハビリにおけるチーム医療だけでなく、当院は慢性期や回復期リハビリの診療も行うケア・ミックス病院であることを生かしMeRMO安全対策チーム(医療安全管理室)、感染対策チーム、栄養サポートチーム、褥瘡床ずれ)対策チーム、糖尿病チームを組んで診療を行っています。

都心部の大病院ではなく地域に根差した当院においては、きめ細やかさが重要と捉え、チーム医療の実施や各部門のスタッフで行う委員会の強化によりきめ細やかな医療を今後とも提供したいと考えております。

当院の地域連携室では“多摩丘陵地域医療を考える会”を実施しております。これまで“『救急医療』~医療機関受診・救急要請に際しての緊急度の判定とその対応について~”をテーマとし、介護施設スタッフの方々などを対象に開催しました。本会は当院スタッフによる講演や実技指導だけでなく、近隣の消防署から連絡事項を伝達していただくなど情報共有を図れる有益な機会となっています。今後も定期的に実施し、地域医療連携の強化に努めてまいります。

当院に設置された医療福祉相談室には医療ソーシャルワーカーが常駐し、患者さん一人ひとりの生活上のお悩みに寄り添います。必要に応じて医師や看護師を交えての話し合いや、地域の相談機関、関連施設などとも連携し、患者さんの意思を尊重した問題解決の方法を提案いたします。

また、2006年にスタートしたわかば訪問看護ステーションではかかりつけ医と連携しながら訪問看護を実施し、患者さんの望まれる形で快適に在宅療養できるようお手伝いさせていただきます。

当院は急性期から慢性期までの幅広い医療を展開しており、各領域の専門性を維持しながら総合的な診療を志向する医師にとって満足のいく職場環境なのではないかと思います。

院内教育はチーム医療のT、プロ意識、プライド、ペイシェントファースト(患者さん第一主義)、ポジティブ、プラクティス(具体的に行動)という5つのPを掲げた“TPPPPP”の考えに基づいて実施し、患者さんのために具体的な行動を起こし、結果に責任を持つ医療人を育成します。

当院では仕事と子育てを両立させ、スタッフ全員が働きやすい環境になるよう、男性の育児休暇取得などを推奨しています。女性の雇用促進も推進し、基本方針のひとつである“職員と家族の幸福を願い、働きがいのある病院を目指します”を実践します。

島津先生

当院においては、ケア・ミックス病院だからこそできる多様な医療を学んでほしいと思います。当院の特徴を生かしたシームレスな地域医療の現場を体験し、患者さん一人ひとりの状態を把握しながら健全な医療を心がけてほしいです。

当院は、複合的な機能を備えた地域密着型の病院です。これから建物を新しくするなど設備面の整備を目指したいと思っておりますが、中身はこれまで通りぬくもりある病院のままですので、どんな症状でもお気軽にご相談ください。“患者さんを第一に考えるやさしい病院、頼りになる病院”を実現すべく、これからもスタッフ一同一丸となって頑張ってまいります。

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