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子どもに好発するヘルペス性歯肉口内炎とは?~症状と対処法~

子どもに好発するヘルペス性歯肉口内炎とは?~症状と対処法~
仲野 道代 先生

岡山大学病院 小児歯科 科長、岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 小児歯科学分野 教授

仲野 道代 先生

目次
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口内炎には、アフタ性口内炎、カタル性口内炎、ウイルスが原因の口内炎など、さまざまな種類があります。

ウイルス性の口内炎は人にうつることもあり、なかでも“ヘルペス性歯肉口内炎”は子どもに好発します。

この記事では、“ヘルペス性歯肉口内炎”に焦点をあてて、その原因、症状、治療についてご紹介していきます。

ヘルペス性歯肉口内炎は、ヘルペスウイルスに初めて感染する子どもに多い病気で、単純ヘルペスウイルス1型に感染することによって起こります。単純ヘルペスウイルス1型は、世界で50歳未満の約7割が感染しているとされるウイルスです。

ヘルペスウイルスは感染していたとしても、症状が出ないことがあり、感染に気付かないことも多いといわれています。そのため、接触または飛沫(ひまつ)感染などによって気付かないうちに、家族から感染することがあります。

症状としては、不機嫌になったり、発熱、喉の痛みなどが数日続いた後に高熱や口腔内に小水疱(水ぶくれ)などが現れたりします。また、かなりの痛みを伴い、食事が取れなくなることもあります。この痛みは1週間ほど持続するため、高熱が出ている乳児の場合は、思うように水分やミルクが取れず脱水症状を起こす危険があります。

原因となるウイルスを抑える抗ウイルス薬、痛み止め、ビタミン剤などを使用した治療が行われます。医師の指示にしたがって内服するようにしましょう。高熱により脱水症状を起こしている場合は、入院して輸液療法を行う場合もあります。

ウイルスは1週間~数週間にわたって排出されます。感染の予防のために手洗いを行い、食器やタオルは家族と別のものを使うようにしましょう。入浴は、熱が下がり元気な様子であれば入っても構いません。

また、歯肉が腫れていて出血しやすい場合は歯磨きを控えて、うがいをするようにしましょう。

口腔内の潰瘍は痛みを伴うため、食欲が低下することがあります。また、酸味のあるものや辛いものはしみることがあるので避けるようにしましょう。冷たいものは痛みの感覚を麻痺させることができるため、少量ずつ取るとよいでしょう。

また、痛みが激しいときは噛まなくてもよいものが推奨されます。アイスやゼリー、豆腐、ヨーグルトなどは、冷たくて喉越しがよく、食べやすいと考えられます。

食欲がない場合も水分は十分に摂取させるようにします。その際、柑橘系のジュースはしみてしまうため避けるとよいでしょう。

症状が改善するまでは幼稚園や保育園などは休むようにし、外出は控えるようにしましょう。

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