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子どもに口内炎ができる原因と治療、予防法

子どもに口内炎ができる原因と治療、予防法
仲野 道代 先生

岡山大学病院 小児歯科 科長、岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 小児歯科学分野 教授

仲野 道代 先生

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口内炎は、大人だけがかかるものではありません。小さな子どもであっても口内炎にかかることがあります。この記事では、子どもの口内炎の原因や治療、予防法について解説します。

子どもが口の中を気にする仕草をしていたり、食欲がなさそうに見えたりした場合は、口の中を隅々までチェックしてみましょう。

子どもの口内炎の中には、感染症やそのほかの病気が原因となって生じていることもあります。口の中を観察し、早めに気付いてあげることが大切です。

歯ブラシや食器など口に入れたものが当たってしまったり、運動中にけがをしてしまったり、何らかの理由によって口の中に傷がつくと、口内炎を引き起こすことがあります。

手足口病ヘルパンギーナは、ウイルス感染によって発症する病気で、口内炎が主な症状のひとつとなっています。手足口病で重度の場合は、唇の内側や舌、喉にまで口内炎ができます。ヘルパンギーナは口の中などに小水疱(しょうすいほう)(水ぶくれ)ができて喉にも炎症が起き、高熱が出るのが特徴です。 

口内炎が主な症状のひとつとなる病気に、ベーチェット病などの自己免疫疾患のほか、周期性発熱、アフタ性口内炎、頸部リンパ節炎咽頭炎を主症状とするPFAPA症候群などがあります。比較してみるとほかの原因より頻度は低いですが、口内炎を何度も繰り返したり、治らなかったりする場合には注意が必要です。

大人の口内炎と同様に、子どもでも疲れていたり悩んでいたりすることで心身にストレスのかかる状態が口内炎を発症させることがあります。特に、子どもは大人に比べて環境の変化に弱いため、普段の生活リズムと違う状況のときなどは注意してあげましょう。

子どもの口内炎は、子ども特有の感染症が原因である場合もあります。そのため、歯科、口腔外科以外に、小児科でも受診が可能なことも多いです。かかりつけの小児科で診察が可能かどうかは、電話などであらかじめ確認しておくとよいでしょう。大人の口内炎と同じような白や黄色っぽい小さな円形のものが口の中に一つできるだけであれば、通常1~2週間ほどで自然に治ります。しかし、口内炎の数が多い、状態がいつもと違うなどといった場合には、ほかの病気である可能性もあるため、受診を検討しましょう。

疲れやビタミン不足などが原因となる一般的な口内炎の場合、うがい薬や軟こうなどが治療に使用されます。

手足口病ヘルパンギーナなどの感染症が原因の場合には、病気を根本的に治す薬はないため、発熱や痛みなどの症状を抑える治療が行われます。安静にし、口内炎の症状が改善していくのを待ちましょう。ただし、症状がなかなか改善しない、高熱や嘔吐がある、ぐったりとしている場合には医師に相談するようにしましょう。

子どもの口内炎を防ぐために、日頃から以下のような点に注意して口内炎を予防してあげるようにしましょう。

唾液の分泌量が低下し、口の中が乾いた状態になると、細菌が繁殖して口内炎ができやすい状況になります。体内の水分量が低下すると唾液の分泌量も減ってしまうため、こまめに水分補給することを心がけましょう。

口の中の環境が悪化すると、細菌が増殖して口内炎ができやすくなります。歯みがきやうがいをしっかりと行い、口の中を清潔に保つようにしましょう。

口内炎の予防や改善にはビタミンB群がよいといわれています。

ビタミンBはレバーや緑黄色野菜、納豆などに多く含まれます。子どもが苦手な食材は、ほかの食べやすい食材と一緒に火を通すなど工夫してあげるとよいでしょう。ただし、ビタミンB群は水溶性で、調理などによって栄養素が失われてしまうことがあるため、スープなどにすることがよいと考えられています。

疲労による体力や免疫の低下は、口内炎の原因のひとつと捉えられています。温度や明るさなど睡眠の環境を整えて、夜はぐっすり眠れるようにしましょう。年齢や活動量によっては昼寝が必要なこともあります。

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