東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーショ...
戸原 玄 先生
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーショ...
山口 浩平 先生
疲れているときなどによくできる口内炎。一般的な口内炎であれば1〜2週間程で治るものですが、長引く場合は注意が必要です。
口内炎がずっと治らない、口内炎が大きくなる、体の他の部分にも不調が現れているなど、気になる症状があるときにはどのような原因が考えられるのでしょうか。この記事では、注意が必要な口内炎の症状や原因として考えられる病気について解説します。
でき始めの時期を除いて、口内炎がだんだんと大きくなり続けるような場合には、栄養状態や免疫力が低下するような病気、口の中に炎症を引き起こすような病気が背景にあることが考えられます。
一般的な口内炎は、ストレスや寝不足、食生活の乱れなど、免疫力が低下していたり栄養バランスが崩れていたりする場合にできるものです。また、口の中を噛んだり、歯ブラシや矯正器具などによって口の中に傷ができたりして起きることもあります。
通常であれば、口内炎への刺激を避けるようにし、疲れやストレスを極力取り除いて、ビタミンB群などの栄養を積極的に摂ることで1~2週間もすれば自然に治ります。
しかし、それ以上の期間が経ってもなかなか治らない場合や、治ったと思ってもまたすぐにできてしまう場合には、ほかの病気が原因となっている可能性があります。
患部がやや大きな水膨れになっている場合は、ヘルペスや手足口病、ヘルパンギーナなどの感染症の場合があります。それらの多くは口の中だけでなく、別の部位にも水膨れのようなものができたり、発熱や喉の痛みがあったりします。
一般的な口内炎でも同時に数個できることはありますが、あまりにもたくさんの口内炎が同時にできた場合は、自己免疫疾患や感染症などの病気を発症している可能性が考えられます。
口内炎がなかなか治らない原因は主に2つあります。原因が改善されていないか、もしくは何かの病気が原因で口内炎ができているかのどちらかです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
一般的な口内炎の場合は、生活習慣の乱れなどが原因となっていますが、その状態が改善されなければ、当然症状も治まりません。
たとえば、免疫力が低下している場合は、疲れがたまっていたり寝不足が続いていたりするなど、肉体的にも精神的にも負担が大きくなっています。十分に心身を休めることが必要になります。
また、健康を維持するためには栄養バランスを調えることが大切ですが、特に口内炎を治すにはビタミンB群が有効と考えられているため、食生活を見直してみるとよいでしょう。
さらに、口腔内の環境も口内炎の改善に大きく影響します。特に唾液の分泌量は口腔内の衛生を保つために大切です。唾液の量が少ないと細菌が増殖しやすく、口内炎が治りづらい状態になってしまいます。
唾液分泌の減少理由は主に加齢ですが、最近は若い世代でもストレスや喫煙習慣などにより、ドライマウスになっている人が多いといわれています。なるべく口の中を潤すことを心がけましょう。
長引く口内炎は、何か他の病気による症状の現れかもしれません。考えられる主な病気は以下のものです。
特定の食べ物や金属によるアレルギーによって、潰瘍やただれといった口内炎が起こる可能性があります。
初期の口腔がんは口内炎のような病変が現れることがあります。口腔がんによる口内炎は、痛みが出にくいのが特徴です。痛みのない口内炎がなかなか治らなかったり、硬いしこりがあったりする場合は注意が必要です。
舌がんなどの前触れともされる状態です。タバコやアルコール、義歯などによる慢性的な刺激により、口腔粘膜や舌、歯肉などに白い粘膜に覆われた潰瘍が広がる病気です。
ベーチェット病は、難病指定されている自己免疫疾患(免疫系統の異常による病気)です。主な症状のうちのひとつが口腔粘膜にできるアフタ性潰瘍、つまり口内炎で、なおかつ繰り返しできることが特徴です。
天疱瘡は口内炎様の症状から始まることがしばしばあります。天疱瘡には口腔粘膜のみに症状が出るタイプと、皮膚にも水疱やびらん(ただれ)が出るタイプがあります。天疱瘡も難病指定されている自己免疫疾患のひとつで、重症化すると口の中の広範囲に病変が広がり、飲食がままならなくなることもあります。
やや重症の薬疹(薬のアレルギーによる湿疹)では口腔内や口唇にアフタが形成されます。体にも同時に赤い発疹が多く出現することがあります。
口内炎がなかなか治らないときは、上記のようにほかの病気が隠れていることもあります。また、口内炎の痛みが長引いて食事をとりづらい状況が続くと、栄養状態が悪くなり、全身の健康にも影響してきます。
口内炎が長引くときは、病院での受診を検討しましょう。
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授、東京医科歯科大学病院 摂食嚥下リハビリテーション科 科長
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 講師
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授、東京医科歯科大学病院 摂食嚥下リハビリテーション科 科長
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士日本老年歯科医学会 認定医・老年歯科専門医・指導医・摂食機能療法専門歯科医師
高齢者を中心とする摂食嚥下障害の治療、リハビリテーションに取り組み、往診による在宅診療や地域連携を積極的に行っている。厚生労働科学研究委託費長寿・障害総合研究事業“高齢者の摂食嚥下・栄養に関する地域包括的ケアについての研究”の業務主任者を務めている。ウェブサイト“摂食嚥下関連医療資源マップ”やその他のインターネットメディア・講演活動などを通して、摂食嚥下障害に関する情報発信も行っている。
戸原 玄 先生の所属医療機関
山口 浩平 先生の所属医療機関
関連の医療相談が36件あります
顎下のしこりと口内炎
1週間ほど前から舌の裏側(口腔と舌の付け根辺り)に3つほど口内炎ができ、3日前に顎を触ったところ顎下に1センチほどのしこりがあることに気づきました。身体の倦怠感や熱はありません。 しこりは触らなければ特に痛みや違和感はなく、しこり部分を押すと鈍い痛みがあります。 どのような病気の可能性があるのか、もしくは日にち薬でこのまま放置して良いものか、もし病院を受診する場合は何科に受診すれば良いか教えていただきたいです。
口内炎について
歯茎の内側に5日前から口内炎らしきものが出来てます。周りは赤く中はクリーム色で黄色味がかってます。直径5ミリ程の大きさで、楕円形に近い形です。出来た時から痛みがなく、出来てるなという違和感ぐらいでしたが、いつも通りビタミンb2を摂取してますが、大きさに変化はなく痛みがないのが不気味です。なお、触っても痛くもなくシコリもないです。 口内炎であれば、I〜2週間で治るそうですが、さほど変化なく痛みもない状態が5日続き段々不安になってきました。 因みに寝不足は続いており出来た前日、当日は胃もたれしていましたが関係ありますか。
少しの刺激でできる繰り返す口内炎
もともと口内炎ができることはおおかったのですが、歯ブラシが当たってできた小さな口内炎が日に日に大きくなり、2週間以上経ってもまだ治りません。 それに加えて食事中に1度噛んだところがすぐに口内炎になり、水で口をゆすぐのも痛くて大変です。 更に、楽器を吹く時に歯が当たる下唇の内側も口内炎になってしまい、痛みで演奏に集中出来なくなりました。 それらによって今は口の中が痛くて仕方ありません。 日常的にある多少の刺激だけですぐに口内炎ができてしまい、それがいつも大きくなってからしか治らないことにとても悩んでいます。 何か予防策や改善策がありましたら、教えていただきたいと思います。 よろしくお願い致します。
口内炎治らない
一週間前に口内炎が治って良かったと思ってたらまたできたんできました。すごくデカくてすごく痛いです。しかも2個もできました。どうやって治せばいいですか?? 助けてください
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