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口唇ヘルペスの原因~単純ヘルペスウイルスの感染経路や症状とは~

口唇ヘルペスの原因~単純ヘルペスウイルスの感染経路や症状とは~
川村 龍吉 先生

山梨大学医学部皮膚科学講座 教授

川村 龍吉 先生

目次
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口の周りに小さな水疱(すいほう)(水ぶくれ)ができる口唇ヘルペスは、どのような原因で起こるのでしょうか。この記事では、口唇ヘルペスの原因となるウイルス、感染経路などについて解説します。

口唇ヘルペスは、唇や周辺の皮膚に痛みを伴う水膨れができる病気です。

口唇ヘルペスの原因は、単純ヘルペスウイルスの感染によるものです。単純ヘルペスウイルスによる症状が出る箇所は顔面や歯肉、性器などがあります。

単純ヘルペスウイルスは、一度感染してしまうと多くの場合症状が治まった後も知覚神経の神経節に潜伏します。そして、ときにウイルスが再活性化すると、水疱などの症状が繰り返されます。つまり、口唇ヘルペスは一度発症してしまうと、再発する可能性の高い病気ということです。

また、単純ヘルペスウイルスには次の2つの型があります。

単純ヘルペスウイルス1型

口唇ヘルペスを引き起こすのは、主に単純ヘルペスウイルス1型です。感染力が強く、世界の50歳未満のうち約7割が感染しているとされていますが、ほとんどの方は無症状だといわれています。

単純ヘルペスウイルス2型

単純ヘルペスウイルス2型は、主に性器ヘルペスの原因となるウイルスで、性交渉によって感染することがほとんどです。症状が比較的軽いため、感染していることに気付いていない人が多いといわれています。

口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス1型は、感染している人と接触したり、物を共有したりすることで感染します。

具体的には、同じタオルの使用、口をつけたコップでの飲みまわし、スプーンや箸などの食器の共有、キスなどによってうつるとされています。

感染のリスクがもっとも高いのは、症状が出ているときとされていますが、症状が出ていなくても感染することがあります(無症候性排泄)。

単純ヘルペスウイルスに感染した際の症状は、初めて感染したときと再発時でやや異なります。

初めて感染したとき(初感染)には、はっきりとした症状が現れないことが多く、初感染の約90%は無症状(不顕性感染)といわれています。ただし、体内に単純ヘルペスウイルスに対する免疫がない場合には、症状が強く出ることもあり、水疱などの皮膚症状だけでなく、全身のだるさや発熱が伴うこともあります。

単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると体内に潜伏し続け、再び活性化して症状が再発することがあります。その場合は、唇の端や口内に水疱や潰瘍(かいよう)が1つだけ、またはいくつかが集まって発生します。

ウイルスが再活性化するきっかけとして多いのは、過労やストレスによる免疫力の低下、紫外線曝露、風邪などの体調不良などが挙げられます。

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