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ライソゾーム病の患者さんと共に生きる社会を目指して——WEB 市民公開講座より

ライソゾーム病の患者さんと共に生きる社会を目指して——WEB 市民公開講座より
奥山 虎之 先生

国立成育医療研究センター ライソゾーム病センター センター長 臨床検査部 部長 臨床検査部...

奥山 虎之 先生

提供:サノフィ株式会社

2021年2月21日、希少疾患である“ライソゾーム病”を理解するためのWEB市民公開講座“ライソゾーム病WEB市民公開講座『つながるちから ~みんなでつくる りかいの輪~』”が開催されました。

座長は国立成育医療研究センター ライソゾーム病センター センター長 奥山 虎之(おくやま とらゆき)先生、演者は特定非営利活動法人 全国ポンペ病患者と家族の会 患者さんのお母さまであるAさん(仮名)、および医療型短期入所施設 もみじの家 ハウスマネージャー内多 勝康(うちだ かつやす)さんが務められました。Aさんからはポンペ病患者さんの家族としての経験談、内多さんからは医療的ケア児に対する社会的支援制度についてのお話がありました。本記事では、当日の講演内容をレポートします。

目次

奥山先生による解説~ライソゾーム病、ポンペ病の概要

全国ポンペ病患者と家族の会 Aさんによる経験談
 ・乳児期から幾度かの経過観察を経て、ポンペ病と確定診断、家族で転居も
 ・「治療法がある」——前向きになれた主治医の言葉
 ・息子だけではなく、娘や祖父母の家族全員が協力して治療と向き合う
 ・家族の会会員同士、住む場所は違ってもつながっている
 ・本人や周囲への伝え方で工夫した4つのポイント
 ・患者さん本人と一緒に過ごす時間を大切に——Aさんからのメッセージ

内多 勝康さんによる講演~『医療的ケア児者をめぐる社会的支援について』
 ・もみじの家について
 ・日本における乳児死亡率・新生児死亡率の推移
 ・医療的ケア児の増加における問題と社会的課題
 ・医療的ケア児への支援をめぐる法律の動き

患者さんとご家族からの質問と内多さんの回答
 ・家族による介護等が難しくなったときのサポート制度について
 ・就学に関する課題について
 ・一人暮らしをする際の支援制度について

医療型短期入所施設の課題と展望
 ・施設の不足状況について
 ・医療型短期入所施設の受け入れ対象年齢について

奥山先生からのメッセージ——障がい者と共に生きる社会を目指して

奥山先生
座長:奥山 虎之先生

講座の冒頭に、国立成育医療研究センター ライソゾーム病センター センター長/臨床検査部統括部長の奥山 虎之先生よりライソゾーム病の病態についてご解説がありました。

奥山先生は、長年にわたり日本のムコ多糖症I型およびII型の治療薬の導入や開発に尽力されてきた医師の1人であり、2020年2月より日本先天代謝異常学会の理事長も務められています。

ライソゾームは、古くなったさまざまな物質を分解する酵素が集まる小器官の1つです。この中でムコ多糖やオリゴ糖ペプチドなどの物質が分解されており、こうした物質が常に体内で作られては壊されることにより、細胞はバランスを保っています。

ライソゾーム病イラスト

ライソゾーム病の患者さんは、ライソゾームの中にある特定の酵素が先天的に欠損している、あるいは機能が低下しているためにライソゾームの中に物質が続々とたまっていってしまいます。すると、今度はほかの重要な機能が正常にはたらかなくなってきます。ライソゾーム病とは、そのようにしてライソゾームの中に分解できない特性の物質が蓄積していく病気の総称です。また、加齢と共に重症化する傾向があります。

2021年2月時点では約60種類のライソゾーム病が確認されており、そのうち31種類が指定難病の対象範囲とされています。いずれも非常にまれな病気ですが、十数年前よりライソゾーム病に対する治療法の開発が進められ、現時点で以下のタイプに対しては治療法ができています。

ライソゾーム病図1

ポンペ病とは、ライソゾームにある酵素のうち“酸性α-グルコシダーゼ(αGAA)”という物質が欠損しているために、全身の細胞(特に筋肉)にグリコーゲンが蓄積する病気です。筋肉は体を動かすための器官ですから、ポンペ病では運動機能が次第に悪くなります。筋力低下による歩行障害をはじめ、心臓や肋間筋(ろっかんきん)、横隔膜の筋肉が障害されることで心機能障害や呼吸困難といった症状を引き起こす可能性もあります。

ポンペ病に対しては主に“酵素補充療法”という治療が行われます。しかし残念ながら、酵素補充療法もまだ完璧な治療法とは言えず、実際のところ、これからご紹介いただくような医療的ケアを必要とする患者さんもまだまだいらっしゃるのが現状です。現在もさらに効果のある薬の開発を目指して、研究開発が進められています。

1人目の演者は、全国ポンペ病患者と家族の会 患者さんのお母さまであるAさんです。ポンペ病をもつ9歳の息子さんを育てるなかで、Aさんやご家族が周囲とどのようなコミュニケーションをとり、理解を得て来られたかについてお話がありました。

我が家は私、夫、長女、次女、そしてポンペ病と診断を受けた長男の5人家族です。息子は生まれた時から哺乳力が弱く、ミルクを飲んでいる時もぜいぜいしていました。体重の増え方も悪く、頻繁に熱を出しました。また、ミルクを飲む量が少ない割に寝ている時間が長かったため、その面でも少し不安を感じていたことを覚えています。かかりつけである地元の県立病院の小児科に相談しましたが、「今は体の作りが未熟なので様子を見ましょう」と言われ、そのまま経過観察となりました。

生後10か月の時には高熱と下痢・嘔吐が続いて入院し、さまざまな検査の結果“心筋肥大症”と診断されました。主治医より今後のリスクなどについて説明がありましたが、頭が真っ白になってしまい、内容はほとんど覚えていません。

1歳2か月の時、高熱や喘鳴(ぜんめい)(呼吸のたびに喉から「ゼーゼー」「ヒューヒュー」などの高い音が鳴ること)が続き気管支炎で再入院した際に、主治医から「今までの検査結果や症状を見る限りライソゾーム病を疑ったほうがよいでしょう」と言われ、そこで初めてライソゾーム病という病気のことを知りました。

その当時かかっていた病院にはライソゾーム病の専門医がいなかったので、息子をしっかりと診ていただくために大学病院のある市内に転居することを決意しました。娘たちの転校手続き、転職先探し、引っ越し準備などを限られた期間で全て決めなければならず大変でしたが、とにかく必死でした。

その後、診断方法や治療法などの説明を受けて、1歳3か月の時に転居先でポンペ病と確定診断を受けました。

診断を受け、1歳4か月のときから大学病院で予定よりも早く治療を開始しました。不安でいっぱいだった私たち夫婦に主治医は「今は治療法があります。早い時期に治療を開始することが重要なので、今病名が分かったのはよいタイミングですよ」とおっしゃり、この言葉に気持ちが救われました。前向きに治療を進めるための第一歩を踏み出した瞬間でした。

治療開始後は、息子の付き添いで私が家を空けることも多かったのですが、姉である2人の娘たちは不満を言うことはありませんでした。むしろ息子の体を心配していろいろな質問をしてきたので、病気については当時の娘たちの年齢でも理解できるように「元気パワーが減りやすい病気」「パワーを充電するために一生治療が続くかもしれない」と話しました。娘たちは「できる限りのことは手伝うね」と、積極的に息子のお世話を申し出てくれて、おむつ交換や着替えなども自発的に手伝ってくれました。また、どうしても帰りが遅くなる時や入院時は、寂しい思いをさせないよう、祖父母に協力してもらいました。

2014年、息子が2歳6か月の頃、全国ポンペ病患者と家族の会会員として講演会に参加し、先生方に質問をさせていただく機会がありました。当時は息子の治療が足踏み状態で、さらにポンペ病についての情報も少ないと感じており、不安を抱えていた時期でした。そうした中、患者会の皆さんや先生方にフォローやアドバイスをいただきながら治療を継続することとなりました。それから少しずつ悩みも解決し、あらためて前向きになれるよい機会となりました。

患者の家族として全国ポンペ病患者と家族の会に関わらせていただくようになってから、今年で8年が経ちます。同じ病気の子どもを持つ母親同士が全国ポンペ病患者と家族の会を通じてつながり、ポンペ病の情報共有をしたり、治療後の経過などで一緒に悩んだり励まし合ったりする環境に恵まれたことに心から感謝しています。「住む場所は違ってもつながっている」という感覚が心の支えにもなっています。

ライソゾーム病図2

本人への伝え方、接し方

治療のため、定期的に病院で酵素製剤を点滴投与する必要があります。幼い頃、点滴をするときは本人が怖がらないように注射を「チックン」と呼び、主治医の先生については「パワーアップさせてくれる味方」と紹介したうえで、先生の注射が友だちと一緒に遊ぶために大事なものだと何度も繰り返し説明しました。病院スタッフの方も、息子がお気に入りのキャラクターのシールを駆血帯(くけつたい)(採血などの際、血管を浮き出しやすくするために用いる器具)に貼ってくれるなど、さまざまな形でフォローをしてくださいました。

学校の先生や友人への伝え方

学校の先生には面談の時間をいただき、ポンペ病の詳細と留意点を伝えました。また、日々の経過に関しては連絡帳を使用し、こまめにコミュニケーションを取りました。

息子のクラスメイトに病気をどのタイミングで伝えるべきかについては、先生としっかり話し合い、クラスメイトたちから「どんな病気なの?」などと質問をされたタイミングで「皆と遊ぶために体の調子を整える必要がある病気」とお話しいただくことに決めています。

周囲への伝え方

保護者の方や近所の方々、その他息子と関わる方には、夫と私から病名、治療内容、留意点などを伝えています。正直なところ最初は「周囲にあまり知られたくない」という思いから、病名を伝えることに不安がありました。しかし夫と話し合い、ポンペ病を息子の“個性”として周囲に伝えていくことは、結果的にこの子のためになるという結論に至りました。

自分自身がポンペ病についてきちんと理解を深め、前向きな気持ちを持っていなければ、周囲に伝えることはできなかったと思います。万が一のことがあった場合、息子の病気のことを知ってくれている方が周りにいるのといないのとでは状況が違いますよね。病気をオープンにすることで保護者の方や近所の方々とも接点ができましたから、伝えるという選択をしてよかったと思っています。

周囲に協力者がいなかったり、病気を受け入れることが難しかったりする場合もあるでしょう。さまざまなことに葛藤する時期は必ず訪れますし、私たち家族にも、またいつか必ず問題が出てくるでしょう。それでも、息子と一緒に過ごす時間を大切に、笑顔で過ごしていきたいと思っています。

息子は今野球やキャンプに興味があり、バッティングが上達したい、たくさん魚釣りをしたいと言っています。本人がやりたいと思うことを、私たち家族も共にやっていきたいです。

内多様
演者:内多 勝康さん

次の演者は、医療型短期入所施設 もみじの家(以下、「もみじの家」) ハウスマネージャー 内多 勝康さんです。内多さんは大学卒業後、テレビ局のアナウンサーとしてニュース番組や生活情報番組に出演するなど広く活躍されていましたが、番組で病気の子どもの医療ケア問題について担当されたことがきっかけで転職をご決断。現在、医療的ケア児とその家族の支援をするためにさまざまな活動を行っています。

もみじの家外観
もみじの家外観

もみじの家は気管切開、人工呼吸器、経管栄養などの医療的ケアが必要な子どもたち、すなわち“医療的ケア児”に対応する医療型短期入所施設として、2016年4月に立ち上がりました。重い病気や障害があってもその人らしく生きられる社会を創ることを目的に、医療的ケア児本人の支援はもちろん、そのご家族の支援にも取り組んでいます。

医療的ケア児は近年増加傾向にあり、そうしたお子さんたちとご家族をどのように社会で支えていくのかが、現代日本における大きな課題になっています。まず、その背景からご説明したいと思います。

下図の濃い折れ線グラフは日本における乳児死亡率(出生千対)*の推移、薄いグラフは新生児死亡率(同)**の推移です。たとえば、1950年代では100人あたり6人の乳児が生後1年未満に亡くなっていましたが、医療の進歩に伴い乳児死亡率・新生児死亡率ともに下がり続けてきました。2018年に発表された新生児死亡率に至っては1,000人あたり0.9人となっています***

その一方で、下図の棒グラフは国立成育医療研究センターに入院し、退院後も人工呼吸器による管理が必要なお子さんの数の推移です。1980年代前半頃から増え始め、乳児死亡率・新生児死亡率が下がっていくのと反比例するように急上昇を続けていることが分かります。

乳児死亡率

*乳児死亡率:生まれて1年未満に亡くなる子ども
**新生児死亡率:生まれて4週間未満に亡くなる子ども
***出典:ユニセフが2018年に発表した新生児の死亡に関する報告書

さらに、2018年度で医療的ケア児数は約2万人、人工呼吸器による管理が必要なお子さんは4,000人を超えました。過去10年間で前者は約2倍、後者は約10倍に増加しているのです。

医療的ケア児数推移
平成 30 年度厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究(田村班)」をもとに作成

人工呼吸器管理が必要なお子さんが退院し、自宅に帰って生活をすることになると、必然的にご家族がその子のケアを担うことになります。早朝や深夜を問わずお子さんのケアに追われるため心身ともに疲弊してしまいますし、働きに出ることも難しいため、経済的な負担も大きくなります。このような問題にどう対応していくかが現在、大きな社会課題としてクローズアップされています。

ここからは、医療的ケア児への支援をめぐって近年起こった法律上の動きをご紹介します。

改正児童福祉法の公布・施行

2016年6月、児童福祉法が改正され、初めて医療的ケアが必要なお子さんについての条文が盛り込まれました。この改正により、地方公共団体は関連組織と連携し、医療的ケア児に対して必要な支援措置を講ずるよう努力義務が課されたことになります。改正前はこうした条文はありませんでしたから、歴史的な改正になったと言えるでしょう。

「地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずるように努めなければならない。」

児童福祉法 第五十六条の六第二項より引用

医療的ケア児支援法案の成立を目指した取り組み

2020年10月、安心して医療的ケア児を育てることができる社会の実現を目的にした“医療的ケア児支援法案(仮称)”が公表されました。これが成立すれば、さらに医療的ケア児をめぐる支援の枠組みが充実していくと考えられますから、私も期待しています。

医療的ケア児を支援する枠組みを充実させるための具体的な対策

さらに、2018年度と2021年度の障害福祉サービス等報酬改定によって医療型短期入所施設の基本報酬が増額されたのみならず、さまざまな形で医療的ケア児に対する支援の枠組みが細かく定められました。

新しく誕生した新制度と目的をいくつか紹介しますと、以下のとおりです。

  • 居宅訪問型児童発達支援:外出困難な医療的ケア児への発達支援
  • 福祉型強化短期入所サービス費:医療的ケア児の受け入れ先の展開
  • 要医療児者支援体制加算:相談支援専門員養成への支援体制の構築
  • 看護職員加配加算や見守りスコア:十分な人員配置による充実したケア体制の支援

このように、一人ひとりの医療的ケア児の支援に対する報酬制度を新たに作っていこうという動きが加速しています。この事実を、ライソゾーム病の家族の皆さんにも理解していただきたいと思っています。

2名の演者による講演の後、事前質問および当日質問に対して内多さんから回答が行われました。

質問:小児の場合、手続きなどにかかる家族の負担が大きく、介護者が体調を崩した際などに支援を継続できるかが不安です。サポートの制度や相談場所はありますか。

回答:一般的な相談支援の流れとしては、相談支援専門員という職種の方がご家庭の事情などをヒアリングしたうえで“サービス等利用計画(障害児支援利用計画)”を立て、具体的なサービスの内容を組み立てます。しかし、医療的ケア児への対応が可能な相談支援専門員の数は不足しているうえ、障害福祉サービスの実施状況についても地域差が大きいのが現状です。

障害が重度になればなるほど支援体制も十分ではないとされますが、日本では状態の重い人に対して、重度訪問介護という制度が設けられています。これは重度の肢体不自由、または重度の知的障害もしくは精神障害があり常に介護を必要とする方が、24時間の連続介護を受けられるというものです。

この制度をどの程度利用できるのかについても地域差がありますが、重い障害を抱えている方やそのご家族は、そちらの制度について自治体に問い合わせていただくのも1つの手段です。

 

質問:なかなか希望する学校に通学することができません。

回答:就学の面においても、受けられる障害福祉サービスと同様に地域間格差があります。人工呼吸器をつけていても周りの子どもたちと一緒に通学できている地域もあれば、その一方で自治体から許可を得られず、学校に通いたいという本人の希望がかなえられていない地域もあるのが実情です。このような格差をどのように埋めていくのかも、最近クローズアップされている課題の1つといえます。

これについては私自身も的確な答えを申し上げられないのですが、先ほど述べた“医療的ケア児支援法案(仮称)”が成立すれば、この状況にも変化が訪れる可能性はあると考えています。

今後、各地域の教育現場は、一人ひとりの医療的ケア児の希望をどうかなえていくのかということをしっかりと検討していく必要があるでしょう。

 

質問:親元を離れて一人暮らしをしたいのですが、仕事をしながら身の回りのことを一人でやっていけるかが体力的に不安で、一人暮らしに踏み切れません。

回答:病気や障害を抱えている方が一人暮らしをするにあたって大きな鍵を握ってくるのは、やはり地域でどの程度の支援を受けられるのかということです。なかには先ほど解説した重度訪問介護の制度を活用し、ヘルパーによる支援を24時間利用しながら一人暮らしをしている人工呼吸器患者さんもいらっしゃいます。

ただ、先の質問でも述べたとおり、重度訪問介護の支援制度がどの程度利用できるかは自治体によって異なるので、まずはお住まいの地域の福祉相談窓口に確認をしていただくことが必要です。

奥山先生:もみじの家は国立成育医療研究センターに併設してできた施設で、本来もみじの家のような施設が全国至る所にあるべきだと思います。まだこうした施設は足りていないとお考えでしょうか。

内多さん:まったく足りていないのが現状です。特にもみじの家のような、病院とは別途建物を設置し、そこで医療的ケア児を受け入れるようなスタイルの施設は、全国的にもかなり少ないと思います。

今後の報酬改定や支援体制の充実によって医療型短期入所施設の設立が加速し、各地域に生活している医療的ケア児の家族が安心してお子さんを預けられるような仕組みと場が広がっていくことを期待しています。

奥山先生:数十年前まで、ライソゾーム病の患者さんは成人を迎える前に亡くなってしまうことも珍しくありませんでしたが、最近は治療法ができたことで成人以降も元気でいられる方が増えてきています。とはいえ、日常生活上ではケアが必要になる患者さんも多いと思いますが、医療型短期入所施設が支援する医療的ケア児には対象年齢があるのでしょうか。

内多さん:医療型短期入所施設は障害者総合支援法に基づいた福祉サービスで、一般的には受け入れ対象は子どもに限られません。しかし、もみじの家は母体となる国立成育医療研究センターが主に子どもを診る医療機関であり、成人の方への対応が難しいことから、やむを得ず対象を19歳未満と定めています。19歳以上の医療的ケア児を受け入れるための社会的基盤は圧倒的に不足しているのが現状ですが、これについては、今後受け皿を増やしていくしかありません。

医療的ケア児の受け皿不足は、日本の医療の発展に伴い救命される子どもたちが増えた一方で起きている課題ですので、日本社会の残された宿題として一人ひとりが考えていく必要があると通感しています。

奥山先生お写真

障がいのあることは決して悪いことではなく、むしろそうした人々がいてくれるおかげで、社会はもっと優しくなれるはずです。そのような社会の実現を私たちは目指さなくてはならないのではないでしょうか。

しかし、現実的には障がい者を支援するための施設が足りていません。私は医師として、本日この市民講演会に参加いただいた皆さんと共に、障がいのある方々が安心して暮らせるような社会を実現するために力を尽くしていきたいと思っています。

これまでに開催されたライソゾーム病市民公開講座の動画はこちらからご覧いただけます。

https://www.lysolife.jp/about/movie/

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  • 国立成育医療研究センター ライソゾーム病センター センター長 臨床検査部 部長 臨床検査部 検体検査室 室長(併任)

    奥山 虎之 先生

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