埼玉県にある医療法人永仁会 入間ハート病院(以下、入間ハート病院)は、多彩な診療科を有し、予防と治療という2つの側面から地域に住まわれる方の健康を支えています。新棟が完成した2019年には透析センターやリハビリテーション・フィットネスセンターを開設するなど、医療提供体制を一層充実させています。
そんな同院が担う役割や今後の展望について、院長である久田 哲也先生にお話を伺いました。
当院は1947(昭和22)年に開設された永田医院をルーツに持ち、1996年に入間ハート病院として新たなスタートを切りました。昭和の時代から数えると70年以上、入間ハート病院としては30年近い歴史があります。
母体である医療法人永仁会は入間市に初めての特別養護老人ホームを開設するなど、かねてより行政と連携する形で医療・介護分野を発展させてまいりました。さまざまな病気をお持ちの高齢の患者さんを総合的に診る一方、働き世代の病気の早期発見・早期治療に力を注ぐことにより、地域の皆さまの健康維持・増進をサポートしています。
当院には内科系・外科系を合わせて14の診療科(2024年現在)があり、大学病院などの協力も仰ぎながらさまざまな病気の治療にあたっています。着実に進行する高齢社会においては、高齢の患者さんの全身状態に配慮しながら治療を進める必要があるため、2023年に新たに総合内科を設置して全人的かつ総合的な診療を行える体制を整えました。
当院は開院当初よりCT、MRI、内視鏡などによる画像診断に力を入れ、病気の早期発見・早期介入に努めてまいりましたが、2019年の新棟開設を機に検査機器を新モデルへとバージョンアップいたしました。被ばく量が少なく、高精細な画像を得られる320列CTに加えて、1.5テスラMRI・3テスラMRIの2台のMRI装置を備え、入間市の健診・検診も積極的に実施しています。また、MRIを用いた着衣のまま検査ができ、痛みのない乳がん検診“乳房DWIBS”(自費、税込22,000円/回)を埼玉県で初めて導入するなど、乳がんの早期発見にも注力しています。
新棟の誕生に伴って2019年に開設した透析センターは、透析用のベッド51床(うち2床は隔離個室)とリクライニングチェア1床を有します。この施設の一番の特徴は、併設する介護老人保健施設と連携して透析患者さんをサポートできる点です。無料送迎による通院外来透析はもとより、介護老人保健施設“ゆりの木”にご入所いただきながらの介護透析にも対応いたします。ゆりの木ではデイケア(通所リハビリテーション)も実施しておりますので、身体機能の維持・回復を含めた支援を行うことが可能です。
開設当初月に20人弱だった患者さんの数は100人を超えるまでになり(2024年6月現在)、改めて透析療法のニーズの高さを感じています。何らかの病気があって自宅で過ごすことが難しい状態だが、対応してもらえる透析クリニックが見つからない……、そうした方々のお力になれるかと思いますので、ぜひご相談いただければと思います。
新棟にはリハビリテーション・フィットネスセンターというもう1つの機能が備わっています。リハビリテーションやフィットネス用のマシンがずらりと並ぶこちらの施設では、医師の指示のもと作業療法士や健康運動指導士と一緒にさまざまな運動に取り組んでいただくことができます。病院併設の施設ということもあり、心肺機能をはじめとしたお体の状態を詳細に把握したうえで、個々の患者さんに適したオーダーメイドのプログラムをご提案できることが強みです。
入間市は2023年10月に“入間市スポーツ振興まちづくり条例”を制定しています。リハビリテーション・フィットネスの分野に力を入れることは病気を遠ざけることにつながり、全ての市民が健康で活気あふれる町の実現を目指す条例の主旨に合致するものです。良質な医療とともに運動習慣づくりの場をご提供することが、地域社会に役立つことを期待しています。
当院はグループ内の各施設と連携し、医療と介護を通して地域の皆さまの暮らしと健康を支えてまいりました。医療分野のキーワードは“高品質”と“サービス精神”です。CTやMRIをはじめとした高性能な医療機器を導入するとともに、専門性を備えた医師を各診療科に配置することにより、良質な医療をご提供しています。
当院は前身となる永田医院の時代を含めると80年近くにわたって入間市の医療の一端を担ってまいりました。当院の発展は地域の皆さまや行政の支えがあってこそ、といっても過言ではありません。当院の役割は、地域の皆さまがお困りのことを解決し、さらなる増加が予想される高齢者の医療に注力することです。地域に根ざした病院として“医療の最初の窓口”の役割を担い、1人の患者さんを総合的に診て、適切な医療をご提供いたします。何かお困りのことやご心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。