院長インタビュー

先進医療を担い、地域の医療を支える東邦大学医療センター大森病院

先進医療を担い、地域の医療を支える東邦大学医療センター大森病院
酒井 謙 先生

東邦大学医療センター大森病院 病院長

酒井 謙 先生

目次
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2025年に開院100周年を迎える東邦大学医療センター大森病院は、先進医療を担う特定機能病院に指定されている病院です。ロボット支援手術、小児腎移植、胎児治療、男性女性の不妊治療などの先進医療を提供しています。

また産婦人科に加えて、母体・胎児集中治療管理室(MFICU)、新生児集中治療管理室(NICU)を整備し、母体、胎児、新生児等の治療を行うほか、多くの双子の分娩にも対応しています。一方で地域とのつながりを大切にし、地域の患者さんを支える医療を提供している点も特徴です。

そんな同院の特色や今後の展望について、病院長の酒井 謙(さかい けん)先生に伺いました。

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大森病院外観(鶴渡公園方面から)

当院は1925年、帝国女子医学専門学校付属病院として開院しました。その後、幾度かの名称変更などを経て、2005年に現在の東邦大学医療センター大森病院になりました。来たる2025年は、開院100周年の記念すべき年になりますので、さらなる進化を遂げたいと考えています。

当院が位置する東京・大田区大森は、羽田空港や品川駅、横浜駅といったターミナル駅に近い交通の要衝です。また大田区は面積・人口ともに東京23区で3本の指に入り、当院が担う役割も非常に大きなものがあります。記憶に新しいところでは、2024年元日に羽田空港で発生した地上衝突事故の際にも初期対応を行いました。

当院は先進医療を提供する特定機能病院であると同時に、地域医療の中心的な役割も担っており、現在の病床数は916床(一般880床、精神36床)、外来患者数は1日平均約2,000人、年間手術件数は1万件を超えます*。また大学付属病院として、看護師、臨床検査技師、ME(臨床工学士)、薬剤師、管理栄養士、研修医など、次世代の医療を担う人材の育成にも力を注いでいます。

*2023年度実績……外来患者数1日平均:2,064.5名、手術件数:11,772件

地域の皆さまのニーズにお応えしてよりよい医療を提供するため、各診療科はそれぞれの役割を果たすべく研鑽に努めています。私の専門である腎臓領域には小児腎グループがあり、小児腎移植をはじめとした小児慢性腎臓病の治療を行っています。小児の腎移植治療を専門とする医療機関は全国的にも少ないため、当院は全国各地から患者さんを受け入れて治療にあたっています。

小児の治療については、胎児手術(胎内手術)を行っていることも特徴です。胎児手術とは、お母さんの子宮の中にいる胎児に対して治療を行うことを言い、生後の治療では子どもを生存させることが難しい場合や、胎内治療を行ったほうが病気の改善が期待できる場合などに適応となります。手術においては、当院の総合周産期母子医療センターが大きな役割を果たしています。総合周産期母子医療センターでは、低出生体重児、新生児外科疾患、脳神経外科疾患、心臓外科疾患などに幅広く対応しています。

当院では、厳選した医療機器を使用して良質な医療を提供することにも力を注いでいます。最近では新たに、外科手術支援ロボット・ヒューゴ(Hugo)を導入しました。すでに稼働しているダヴィンチに加えてヒューゴの運用をスタートすることにより、さらに患者さんに優しい低侵襲(ていしんしゅう)(体への負担が少ない)な手術を目指しています。

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公開講座の様子

当院は開院以来、地域の皆さまとの関わりを大切にしており、交流イベントなどを積極的に行っています。そのうちの1つに、各診療科が持ち回りで主催している区民公開講座があり、大田区にお住まいの方を中心に毎回たくさんの方にご参加いただいています。1時間にわたって開催される区民公開講座のうち、はじめの45分間は講義、残りの15分間は医師への相談コーナーです。さまざまなテーマで実施しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。

*公開講座の情報はこちらから

このほかにも、大田区の小・中・高校の児童・生徒、教員、保護者を対象に“がん教室”を開催しています。これまでの派遣回数は60回、聴講生は延べ7,500人になります。

また、2006年より当院の救急外来の1室を使用して大田区子ども平日夜間救急室を開設しており、医師会の先生方と連携して平日の20~23時まで(受付時間 19:45~22:45)子どもたちの救急初療を行っています(2024年10月現在)。

当院創立100周年事業の一環として、2027年の完成に向けての新外来棟の計画・設計を行っているところです。新たに完成する建物には緑があふれ、外来患者さんを中心に地域の皆さまがゆったりとくつろげる環境があり、誰もが過ごしやすい待合空間がある……そんなプランを考えておりますのでご期待ください。

大森病院新外来棟完成図
大森病院新外来棟完成図

今後も当院が地域の皆さまにとって安心できる快適な場となれるよう、“学ぶほどに優しくなる組織”“優しいほど優しさが返ってくる組織”“無償の声かけとありがとうのシャワー”をモットーに、地域の皆さまから必要とされ、選ばれる病院となるよう努めてまいります。

*写真提供:東邦大学医療センター大森病院

*病床数や診療科、医師、提供している医療の内容等についての情報は全て2024年10月時点のものです。

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