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Lung
がん性胸膜炎
肺と胸腔内部を覆う薄い膜のことを胸膜と呼びます。この胸膜に何らかの炎症が起こると、胸痛や呼吸困難などの症状が現れます。がん性胸膜炎とは、がんが胸腔内に播種したことで胸膜炎が起きた状態のことです。...
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肺

がん性胸膜炎がんせいきょうまくえん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

肺と胸腔内部を覆う薄い膜のことを胸膜と呼びます。この胸膜に何らかの炎症が起こると、胸痛や呼吸困難などの症状が現れます。がん性胸膜炎とは、がんが胸腔内に播種したことで胸膜炎が起きた状態のことです。がん性胸膜炎の予後は悪く、半年後以内に亡くなることが多いです。
 

原因

がん細胞は血管やリンパ管などを通してさまざまな臓器に移動するだけでなく、増大しながら隣接する臓器の膜を突き破って転移することがあります。がん性胸膜炎とは、がん細胞が胸膜と突き破って胸腔内に漏れ出し、胸膜に転移した状態です。胸膜へ転移を起こしやすいがんとして、肺がん、乳がん、悪性リンパ腫などが知られています。

胸水は正常な方にも少量存在しており、肺と胸の動きが滑らかになる役割を果たしています。胸膜の毛細血管からは常に水分が染み出していますが、一方で胸膜は常に水分の吸収も行うため、胸水の量は一定以上増えることはありません。

しかし、がん細胞の転移により胸膜が炎症を起こすと、水分が染み出す量が増え吸収する量が減るため、胸水が増えます。
 

症状

胸膜の炎症が強いと胸痛が出現し、特に咳をしたり深く息を吸ったりしたときに痛みが強くなることが多いです。しかし全ての方に出現するわけではありません。胸水が増えると肺が押しつぶされて呼吸機能が低下するため、息切れが強くなります。悪化するにつれ安静時でも呼吸困難を起こすため、酸素投与が必要になることがあります。
 

検査・診断

がん性胸膜炎の診断では、胸腔内や胸膜にがん細胞が存在するか調べます。
胸水が溜まっている場合は、体表面から針を刺すなどして胸水を採取して胸水中にがん細胞が存在するか調べます。カメラを胸腔内に入れて病変を確認したり細胞を採取したりする方法も有効ですが、患者さんにかかる負担が大きいため、他の方法では細胞が採取できない、もしくは診断が難渋する場合に考慮されます。
画像検査により胸水が確認されることで、がん性胸膜炎と判明することが多いです。胸部単純レントゲン写真でも胸水を確認できますが、胸水の量が少ないと描出が困難です。CTでは少量の胸水でも確認でき、また胸膜の転移を捉えることができる場合もあります。
 

治療

胸水が多く諸症状が強い場合は、体表面から針や管を刺して胸水を抜く胸腔ドレナージという処置を実施して症状改善を図ります。抗がん剤治療を実施してがんが縮小すれば胸膜炎が改善し、胸水貯留も消失する可能性があります。抗がん剤治療を行なっても胸水が増える、もしくは抗がん剤の効果がすぐに期待できない場合は、呼吸困難を引き起こさないよう胸膜癒着術を行うことがあります。

これは胸腔内に薬剤を投与しあえて炎症を起こすことで、肺の胸膜と胸腔内部の胸膜を接着する処置です。これにより胸水が貯留するスペースが減るため、胸水貯留による呼吸困難の悪化抑制をねらえます。胸腔ドレナージを行って胸腔内に管を入れた状態のままにし、胸水を抜いたあとに続いて、管を通して胸腔内に薬剤を投与します。

どのタイミングでどのような治療を行うべきかは、がんの種類や進行具合などが関係してくるため、患者さんごとで異なります。