インタビュー

悪阻(つわり)とは? 悪阻の原因と症状、受診のタイミングについて

悪阻(つわり)とは? 悪阻の原因と症状、受診のタイミングについて
恩田 威一 先生

東京慈恵医科大学 元教授・客員教授 、茅ケ崎市立病院 産婦人科元部長、 慈誠会病院 勤務

恩田 威一 先生

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この記事の最終更新は2019年05月28日です。

悪阻の症状の強い妊婦さんは血液中のhCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)値、エストロゲン値が高い傾向にあることが、わかっています。ストレスも悪阻の原因になる可能性があります。ストレスを感じるとマグネシウムが尿に排泄されやすくなるため、マグネシウムが体内に不足します。血中イオン化カルシウムが高いときに血中マグネシウムが低い状態では悪阻を悪化させると考えられます。(詳細は記事2『悪阻とマグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩素の関係』)東京慈恵医科大学元教授客員教授/茅ケ崎市立病院産婦人科元部長の恩田威一先生にお話を伺いました。

悪阻では悪心や嘔吐だけではなく、さまざまな症状が現れます。たとえば、塩辛いものを好む方がいたり、眠さを感じながらも不眠がちとなっている方がいたり、冷えた炭酸水を好むという方がいたりします。女性ホルモンが急激に増加するという理由のみでは、その他のさまざまな症状が起こるとは考えづらくなります。この点については、マグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウム、塩素などの電解質や嗅覚が深く関与していることがわかっています。

悪阻の症状は、軽度のもので悪心や嘔吐、口渇、皮膚乾燥、めまい頭痛などが中心です。重度になると肝機能障害や意識障害、最悪の場合は母体や胎児に命の危機がおよぶ可能性もあります。ですから悪阻だからといって我慢せず、おかしいと思ったらすぐに病院を受診してください。(詳細は記事4『悪阻の症状を緩和させるためには―マグネシウムの十分な摂取が大切』

治療は、「ご本人が辛いかどうか」が悪阻に対する医療的介入の目安です。客観的な指標としては、尿中ケトン体の量の増加などが挙げられますが、妊娠悪阻症状がひどく、一向に改善しない場合はすぐに病院を受診して構いません。治療を先延ばしにしておくと、ウェルニッケ脳症(ビタミンB1欠乏による脳症。食事が摂れなくなり栄養が不足すると起こる可能性がある)による脳障害の可能性も考えられます。

何よりも予防が重要と考え、早めに病院へ相談することを心がけましょう。

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