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手の痛みを引き起こす主な病気とその治療法について

手の痛みを引き起こす主な病気とその治療法について
寺本 憲市郎 先生

熊本機能病院 院長

寺本 憲市郎 先生

目次
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手は片時も休まず使う部位だからこそ、痛みや違和感があると日常生活に大きな支障が出ます。手の痛みやしびれを引き起こす病気は多岐にわたりますが、中でも多くの患者さんが悩まれているのがばね指や手の変形性関節症です。これらの病気の原因や治療法、そして手外科治療において欠かせないリハビリテーションの重要性について、熊本機能病院の寺本 憲市郎(てらもと けんいちろう)先生に伺いました。

手の病気は非常に種類が多いですが、日常的によくみられる代表的なものとして“ばね指”と“変形性関節症”が挙げられます。

ばね指(弾発指)
イラスト:PIXTA

指の曲げ伸ばしをするための(けん)と、腱が通るトンネルで腱が浮き上がらないように押さえている靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)が炎症を起こすと“腱鞘炎”になります。ばね指は腱鞘炎が進行し、指を伸ばそうとしたときに引っかかりを感じ、「カクン」とはねるような動き(弾発現象)が生じる病気です。

加齢や女性ホルモンの影響などが原因で、関節の軟骨がすり減り、痛みや変形が生じる病気です。特に以下の3つが代表的です。

ヘバーデン結節

指の第1関節にコブ(結節)ができ、痛みや変形が起こります。

ブシャール結節

指の第2関節に痛みや変形が起こります。

母指CM関節症

親指の付け根(手首に近い部分)の関節軟骨がすり減り、瓶のふたを開ける動作などで痛みが出ます。

患者さんの中には「指の関節が痛いからリウマチではないか」と心配されて来院される方が非常に多くいらっしゃいます。しかし、実際にはリウマチではなく、上記のような変形性関節症であるケースも少なくありません。指の付け根に痛みがある、指の曲げ伸ばしの際に引っかかり(弾発現象)がある、関節の腫れや変形が見られるなどの場合には早めに医療機関に相談してください。

診断では、X線撮影で骨の状態を確認するほか、触診で痛みの場所や腫れ、動きのチェックを行います。また、手のしびれや痛みは、頚椎(けいつい)などの神経が原因となっている場合もあります。脳や脊髄(せきずい)といった大元の神経に原因があるのか、手そのものに原因があるのかを見極めるために、必要に応じてMRI検査や、神経の状態を調べる検査を行うこともあります。自己判断で様子を見るのではなく、まずは手外科専門医*による診断を受けることが大切です。

*手外科専門医:日本手外科学会が認定(本記事内の「手外科専門医」はこれを指す)。

治療法は大きく分けて保存療法と手術療法があります。

まずは痛みや炎症を抑えることを目指します。患部を固定し、安静を保つ装具療法のほか、痛み止めの内服、ステロイド注射などで炎症を鎮める薬物療法があります。

保存療法で改善がみられない場合や、日常生活に支障をきたす場合は手術を検討します。ばね指の場合は、腱の通り道を広げる“腱鞘切開術”などを行います。変形性関節症の場合は関節の形を整える“関節形成術”、関節を固定する“関節固定術”、あるいは人工関節への置換などを検討します。

手術の方針を決める際は、患者さんの年齢や職業、生活背景を考慮することが大切です。たとえば、重い物を持つ仕事をしている若い方であれば、痛い部分を取るだけでなく“力強く使える手”が必要です。一方、ご高齢の方であれば、痛みを取り除きつつ“ボタンかけなどの細かい動作ができること”が優先されるでしょう。また、傷あとを目立たせたくないという整容面への配慮も重要です。当院では、それぞれの患者さんが「手を使って何をしたいか」という希望に寄り添い、そのために必要な治療法を決定していきます。

手外科の治療において、手術と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが術後のリハビリテーションです。手は非常に繊細で複雑な動きを求められる器官です。手術で悪い部分を治したからといって、すぐに元どおり動くようになるわけではありません。機能を再建し、再び使える手にするためには、専門的なリハビリテーションが不可欠です。

当院では、手外科を専門とする作業療法士が在籍しており、リハビリテーション体制が充実しています。同じ病気や手術であっても、患者さんの仕事や目標によってリハビリテーションのメニューはまったく異なります。また、医師だけで治療方針を決めるのではなく、リハビリテーションスタッフを含めた“ハンドカンファレンス”を定期的に実施し、リハビリテーションの視点を取り入れた綿密な治療計画を立てています。診断、手術、そして機能回復までしっかりとサポートするリハビリテーションまでが一連の治療です。

手は、お子さんの先天的な異常から、働き盛りの方の外傷、ご高齢の方の変形性関節症まで障害されると、あらゆる世代の生活に影響を及ぼす大切な部位です。「指が痛い」「しびれが取れない」といった症状がある場合、指の変形や慢性的な手の痛みに悩まれている方は自己判断をしたり、民間療法に頼ったりする前に、一度早めに手外科専門医を受診してください。特に神経が関わる病気の場合、発見や治療が遅れると機能が完全に戻らなくなってしまうこともあります。適切な診断と治療、リハビリテーションを行うことで、手の機能は回復が期待できます。「おかしいな」と思ったら、まずはご相談ください。

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