原因
ウェルニッケ脳症はビタミンB1が重度に欠乏することで発症します。
ビタミンB1が欠乏する主な原因としてアルコール依存症が挙げられ、原因のおよそ半数をアルコール依存症が占めるとされています。アルコール依存症の人は、長期にわたってアルコールを過剰に摂取しているために、ビタミンB1の消化管での吸収や肝臓での貯蔵が妨げられ、その結果としてビタミンB1が欠乏します。また、アルコール依存症の人はバランスの取れた食事をしていない場合も多く、このこともビタミンB1の欠乏の原因になります。
そのほか栄養失調状態にあるとき、ビタミンB1の需要が増えるとき、腸の吸収障害や肝臓の代謝障害があるときにビタミンB1が欠乏することがあります。
アルコール過剰摂取や栄養失調以外の原因には、偏食、消化管切除後、胃バイパス術後、重度の嘔吐(妊娠時のつわりなど)、授乳、激しい運動、高齢者、甲状腺機能亢進症、長引く下痢、肝機能不全、がん、エイズ、透析、などが挙げられます。
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