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ビタミンD依存性くる病

目次

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概要

ビタミンD依存性くる病とは、遺伝子の変異により生まれつき発症する、指定難病のひとつです。本来は石のように固いはずの骨が柔らかくなってしまう石灰化障害がみられ、骨の痛みや変形などの症状が現れます。

現在、報告されている患者数は世界で100例程度です(2018年6月時点)。しかし、実際には未診断の方が多く存在するのではないかと推定されています。

原因

ビタミンD依存性くる病は、遺伝子の変異によって発症します。また、異常が起こる遺伝子ごとに5種類の病型に分類されています(2018年6月時点)。

1型の原因は、ビタミンDの活性化に関わる酵素をつくる遺伝子の変異です。1A型では1α水酸化酵素の異常、1B型では25水酸化酵素の異常がみられます。2型の原因は、ビタミンD受容体に関連する遺伝子の変異です。2A型ではビタミンD受容体の異常がみられ、2B型ではビタミンD受容体のはたらきが阻害されます。3型は、薬などの異物を代謝する酵素をつくる遺伝子の変異により発症する病型で、2018年5月に報告されました。

症状

ビタミンD依存性くる病では、骨や関節の症状が現れます。子どもの頃(骨端線閉鎖前)に、X脚やO脚、脊柱の湾曲、低身長などが起こる可能性があります。また、成人後も骨の柔らかい状態が続くため、骨軟化症の症状である骨折、偽骨折、骨痛、虫歯などが起こりやすくなります。

そのほか、低カルシウム血症や、それに伴うテタニー(顔や手足の筋肉のけいれん)、低リン血症がみられることがあります。2A型では、髪が生えてこない禿頭(とくとう)を伴う方が多くみられます。

検査・診断

ビタミンD依存性くる病の診断では、主に血液検査が行われます。基本的には、補正カルシウムとリンの値を測定します。ビタミンD欠乏症と見分けるために、ビタミンDが欠乏しているかどうかを調べるためには、25水酸化ビタミンDの値を測定することが重要です。また、ビタミンD依存症の病型を見分けるためには1,25水酸化ビタミンDの測定も重要です。

軽症~中等症のビタミンD依存性くる病は、ビタミンD欠乏症と症状、検査所見が類似することがあります。正確に鑑別診断するためには、必要とされる場合には患者さんと十分な相談を行ったうえでの遺伝子検査を行うことが望ましいと考えられます。

治療

ビタミンD依存性くる病を根本的に治療する方法はありませんが、定期的な通院と服薬の継続を行うことが大切です。

1型は、通常量の活性型ビタミンDを投与することで、症状の改善が期待できます。1A型であれば1α水酸化ビタミンDでも加療することが出来ますが、1B型では1,25水酸化ビタミンD(活性型ビタミンD)で加療する必要があります。

2型はとくに禿頭を伴う症例で治療が難しいとされていますが、高用量の活性型ビタミンDにカルシウム製剤を併用して投与することで、骨や関節の症状を軽減させることができます。ただし、その際には血中カルシウム濃度を比較的低値に維持して腎機能を悪化させないように細心の注意を払う必要があります。