検査・診断
ビタミンD欠乏症が疑われる場合は次のような検査を行う必要があります。
血液検査
ビタミンDが欠乏している状態と診断するためには、25水酸化ビタミンD濃度と呼ばれる血液中でビタミンDが欠乏している状態であるかを判断するための値を測定します。この血液検査では、25水酸化ビタミンD濃度が20ng/mL未満であるときに、ビタミンDが欠乏している状態と判断します。
また、症状を伴うビタミンD欠乏症の診断には、血中カルシウム濃度と副甲状腺ホルモン(インタクトPTHまたはホールPTH)濃度の測定が必要です。25水酸化ビタミンD濃度が20ng/mL未満であるときに、血中カルシウム濃度が正常範囲より低く、副甲状腺ホルモン(インタクトPTHまたはホールPTH)濃度が高ければ、症状を起こし得るビタミンD欠乏症と診断できます。
日本人では約8割がビタミンD欠乏状態といわれていますが、消化器疾患やグルココルチコイド製剤の使用、遺伝的な影響といったビタミンD欠乏症を発症しうる要因がなければ強いビタミンD欠乏状態であっても、基本的には症状を伴うビタミンD欠乏症は起こりません。
一方でそれらの要因の中でも、特に遺伝的な影響により小児のくる病や成人で骨軟化症を起こしている場合には、血液中のリン濃度が低く(カルシウム濃度は正常範囲の真ん中より低値)、加えて骨型アルカリホスファターゼの濃度が上昇しています。
画像検査
ビタミンD欠乏症では、骨密度が低下するので骨密度測定がすすめられます。
また、肋骨や下腿、足に骨痛があり骨軟化症が疑われる場合、骨折が非常に小さいと単純なX線では写らないことがあります。非常にまれなケースではありますが、そのような場合には骨シンチやMRIでサイズの小さい骨折を確認することが可能です。
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