治療
ロタウイルスによる胃腸炎の第一の治療目標は、脱水をいかに避けるかということです。特に発症初期は吐き気や嘔吐症状が強く、無理に水分を飲ませると嘔吐を誘発することもあります。
数時間経つと吐き気はおさまることも多いため、このころから少しずつ水分を口から取ることが大切です。これを経口補水療法と呼びます。市販されている経口イオン水が推奨されていますが、お子さんの場合は味を嫌うこともあります。嫌がる場合には無理に経口イオン水を飲ませようとするのではなく、本人の飲みやすいものを与えるようにしましょう。
一度に多くの水分を摂取すると、嘔吐してしまうこともあるため、ペットボトルのキャップ程度の少量の飲み物を5分間隔程度でこまめに飲ませ続けることが重要です。
基本的に、脱水症状がない場合は、食事形態を普段と大きく変える必要はありません。乳児であればミルクや母乳も与えても構いません。しかし、なかには、ロタウイルスに関連して乳糖不耐症を発症するお子さんもいます。乳糖不耐症とは、母乳やミルクの消化が悪くなり、下痢を起こしてしまう病気です。
乳糖不耐症が疑われる場合は、一時的な母乳やミルクの中止、特別な粉ミルクへの変更、乳糖の分解を助ける薬の併用なども検討しましょう。
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