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感染性胃腸炎・急性胃腸炎とは? 症状や原因(ノロウイルスなど)、治療法を解説

インタビュー

最終更新

2017/11/07

2017 年 11 月 07 日
更新しました
2017 年 06 月 28 日
掲載しました
感染性胃腸炎・急性胃腸炎とは? 症状や原因(ノロウイルスなど)、治療法を解説
橋本 祐至 先生

千葉市立海浜病院

橋本 祐至 先生

急な腹痛や、吐き気・嘔吐、下痢、発熱……こうした症状を経験したことのある方は多くいると思います。これらの症状がみられた場合にはどういった疾患を疑うべきでしょうか。

腹痛や、吐き気・嘔吐、下痢、発熱が突然あらわれる疾患として最も多いと言えるのが、ウイルスや細菌に感染したことで胃腸炎を引き起こす感染性胃腸炎です。

この疾患は例年、11~2月の時期に最も多く発生する感染症で1)、感染力が強いことから周囲に罹患した方がいる場合には感染が拡がらないように注意することが必要です。

では感染性胃腸炎はどのような疾患で、診断や治療、そして予防はどのように進めればよいのでしょうか。本記事では千葉市立海浜病院小児科部長の橋本祐至先生に、感染性胃腸炎について詳しくお話を伺いました。

感染性胃腸炎とは? 

嘔気

感染性胃腸炎は下記のような症状が突然あらわれます。

感染性胃腸炎の症状

・嘔気・嘔吐

・下痢

・腹痛

・発熱     など

こうした症状があらわれた場合には感染性胃腸炎が疑われます。

 

感染性胃腸炎の原因 ~ウイルス性・細菌性 それぞれ治るまでの期間は~

ウイルス

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの病原体に感染することで発症します。感染した病原体によってウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎に大別されます。

ウイルス性胃腸炎

感染性胃腸炎の大部分は、ウイルス性胃腸炎です。

ウイルス性胃腸炎の病原体としては主にノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスの3つが多いとされていますが、その他にもアストロウイルス、コロナウイルス、コクサッキーウイルスなどの胃腸炎も少数ながらあります。

ノロウイルス

発症時の嘔吐・下痢症状は比較的強いですが、2~3日で比較的元気になることが多いのが特徴です。潜伏期間は1~2日で、感染力が強いため、秋~冬場に爆発的に流行する傾向があります。初期に強い症状がみられるため、発症すると大人でもかなり辛いと訴えるケースが多くあります。しかし症状がみられるのは始めの2日程度で、比較的早期に治癒される方が多いです。

ノロウイルスは秋~冬にかけて感染するケースが多くなると考えられています。

ロタウイルス

他のウイルス性胃腸炎に比べると、病初期に39度台の高い発熱を伴うことが多いのが特徴です。嘔吐は他の胃腸炎と同様1~3日程度で治まりますが、その後もひどい下痢だけが1週間ほど長引くことが多いです。

ロタウイルスに感染すると胆汁の分泌が悪くなるため、便の色が薄くなり、レモン色になることがあります。重症の方では便の色がさらに薄くなり白っぽくなることもあります。

お子さんが発症した場合には、保護者の方が患者さんの受診を決定するかと思いますが、受診のタイミングとしては脱水症状が深刻になる前というところがポイントです。お子さんが嘔吐をしている場合には、保護者の方は脱水を心配されて積極的に受診されますが、嘔吐がおさまり下痢だけになると水分が取れていれば大丈夫だろうと考え、病院を受診されないことが多くあります。そうした判断により、最終的に深刻な脱水状態に至ってから来院されるケースもあります。ロタウイルスによる胃腸炎では下痢が長引きますので、脱水症状が重症化する前に受診するようにしてください。

ロタウイルスはもともと冬場の発症が多くありましたが、近年では2~5月ごろの春先で暖かくなってきた時期にも多くみられます。

アデノウイルス

発熱や嘔吐はあまり目立たず、下痢や腹痛が目立ちます。下痢だけの症状があり、あまりにも長引くので受診してみると、アデノウイルスによる胃腸炎だったというケースもあります。また、腸重積症の患者さんでもアデノウイルスが検出されることがあります。

症状が悪化することは少ないですが、下痢は1週間程度続くことがあります。しかしロタウイルスほど水分を喪失してしまうことは少ない傾向にあると感じています。

アデノウイルスは季節を問わず発症が散見されます。

※腸重積症…回腸(小腸の終わり部分)が大腸に入り込むことで、腸管にある細い血管が破れ血便が生じ、時間が経過すると嘔気、腸管の閉塞症状があらわれ、さらには腸管組織の壊死が引き起こされる疾患

その他のウイルス

現在、胃腸炎の発症を疑った際に、日本の現場で迅速検査が可能なウイルスは上記のノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスの3つです。これらが主なウイルス性胃腸炎の原因になっていますが、この3つ以外にもアストロウイルス、コロナウイルス、コクサッキーウイルスなどのウイルスが胃腸炎の原因になることもあります。

細菌性胃腸炎

感染性胃腸炎の原因の多くはウイルス性ですが、なかには細菌への感染が原因となって発症する場合があります。これが細菌性胃腸炎です。

細菌性胃腸炎の病原体は、病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、エルシニアなどで、小児でもしばしば発症がみられます。

細菌性胃腸炎は、嘔吐を伴うことはありますが、症状の中心は腹痛、下痢、血便などの下腹部症状です。