症状
下垂体前葉機能低下症では、分泌が低下する6つのホルモンに関連した症状が生じます。
副腎皮質刺激ホルモン[ACTH]
ACTHが低下すると副腎の機能が随伴して低下し、食欲不振、体重減少、倦怠感の増加、低血糖、低血圧などの症状につながります。
副腎はストレス状況下で身体がうまく適応するためになくてはならない臓器であるため、感染症や手術時などに症状が悪化する危険性もあります。
甲状腺刺激ホルモン[TSH]
TSHが出なくなると、甲状腺の機能が低下することから、疲れやすさや抑うつ気分、全身の倦怠感や肌荒れ、むくみ、便秘、声が低くなるなどの症状につながることがあります。
成長ホルモン[GH]
GHが影響を受けると、低身長や肥満、筋力低下などの症状が生じることがあります。
黄体化ホルモン[LH]・卵胞刺激ホルモン[FSH]
LHやFSHは、性腺機能の発達や性欲に関わるホルモンです。女性では生理不順や無月経、男性では性欲の低下、インポテンツなどが起こります。これらの症状に関連して、不妊症につながることもあります。
プロラクチン[PRL]
PRLは母乳の産生に関わるホルモンです。産褥期においてPRLが低下すると、母乳が充分に産生されなくなります。
下垂体前葉機能低下症では、これら6つのホルモンすべて、もしくは一部の分泌が低下します。分泌の低下がみられるホルモンに応じて、それぞれの症状が出現する可能性があります。
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