にじせいせっけっきゅうぞうかしょう

二次性赤血球増加症

同義語
二次性多血症,続発性多血症
最終更新日:
2024年10月18日
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2024/10/18
更新しました
2017/04/25
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概要

二次性赤血球増加症とは、生活習慣や病気などの原因により血液中の赤血球*の数が増加する病気です。赤血球増加症には大きく分けて2種類あります。1つは赤血球の数が実際に増加する“絶対的赤血球増加症”、もう1つはストレスや脱水症が原因となって起こる、見かけ上だけ赤血球が増加する“相対的赤血球増加症”で、二次性赤血球増加症は絶対的赤血球増加症に分類されます。

二次性赤血球増加症は、高地での滞在や過度の喫煙、肺の病気、腫瘍(しゅよう)などによって、赤血球を増やすエリスロポエチンというホルモンの濃度が上昇し、赤血球が過剰に産生されることで起きます。赤血球の数が異常に増加すると血液の粘度が高くなり、頭痛めまいなどの症状が現れるほか、血管内に血液の塊(血栓)ができ、脳梗塞(のうこうそく)心筋梗塞などを発症することもあります。二次性赤血球増加症と診断された場合には、原因となる病気の治療が行われます。

*赤血球:血液中に存在する細胞。肺から取り込んだ酸素を全身に運び、不要になった二酸化炭素の一部を回収して肺に戻すはたらきがある。

原因

肺の病気や過度の喫煙、高地での滞在などにより低酸素状態となることで、体が酸素を運ぶ赤血球を増やそうとして発症します。また、腎がんなどの腫瘍組織がエリスロポエチンを産生することにより、赤血球が過剰につくられることもあります。

症状

二次性赤血球増加症は、赤血球数の増加に伴い血液の粘度が高くなり、全身の血液循環が悪くなって頭痛めまい、顔のほてり、倦怠感、高血圧などの症状が現れます。また、脳や心臓などに血栓が生じると脳梗塞心筋梗塞などの血栓性疾患を発症することもあります。

検査・診断

二次性赤血球増加症は、赤血球増加症が疑われた場合に、相対的赤血球増加症との鑑別、ほかの原因による絶対的赤血球増加症との鑑別のうえ診断されます。

これまでの病歴や喫煙歴などを確認するための問診のほか、身体検査、血液検査、画像検査などが行われます。

身体検査

視診や触診、聴診によって心疾患や臓器の腫れ、腫瘤(こぶ)、低酸素状態を示す兆候がないかなどを調べます 。

血液検査

赤血球を含む血球数やエリスロポエチン濃度などを確認します。また、脱水による相対的な赤血球増加の場合は電解質の異常が参考になることもあります。

赤血球増加症の基準値の目安は、男性では赤血球数600万/μL以上、ヘモグロビン濃度18g/dL以上、ヘマトクリット値**55%以上のいずれか、女性では赤血球数550万/μL以上、ヘモグロビン濃度16g/dL以上、ヘマトクリット値50%以上のいずれかを認めた場合とされています。

二次性赤血球増加症では、赤血球数のみが増加しほかの血球は増加しません。また、エリスロポエチンの濃度は高くなります。原因となり得る慢性呼吸器疾患がある場合は、動脈血酸素飽和度が低く確認されることがあります。

ヘモグロビン濃度: 赤血球中のヘモグロビンの濃度を表す値。

**ヘマトクリット値:血液中で赤血球が占める割合を表す値。

画像検査

血液検査や動脈血酸素飽和度から二次性赤血球増加症が疑われる場合には、さらに原因を特定するためにX線検査や腹部超音波検査、CT検査などが行われます 。

治療

二次性赤血球増加症では、原因となる病気に対する治療が中心に行われます。たとえば、腫瘍によってエリスロポエチンが過剰に産生されている場合は、腫瘍の摘出などが考慮されます。喫煙によって発症が認められる場合には、禁煙も必要です。

また、症状が重くて日常生活に支障がある場合、増加した赤血球を減少させるため瀉血療法という治療が行われます。瀉血療法とは1回200~400mLの血液を採取することで症状を緩和させる治療法です。

このほか、脳梗塞心筋梗塞などの血栓性疾患の発症を予防するため、アスピリンなどの抗血小板薬が用いられることもあります。

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