種類
先天性心疾患には、さまざまな病気が含まれます。
画像:PIXTA
心室中隔欠損
先天性心疾患の中では最も高頻度にみられる病気です。この病気では、右心室と左心室の間にある壁(心室中隔)に穴が開いています。左心室は全身に血液を送り出すポンプの役割がありますが、そこから穴を通って右心室→肺動脈→肺静脈→左心房→左心室と血液が空回りします。この空回りした血液の量だけ左心室への負担となります。特に穴が大きい場合は乳児期に心不全を引き起こします。
また、肺動脈にも負荷がかかることで肺高血圧が進行します。心室中隔欠損の穴の位置によっては大動脈弁の変形、逆流が問題となる場合もあります。
穴が小さい場合は、自然にふさがることもあります。治療は手術でパッチと呼ばれるあて布を縫い付け穴を閉鎖します。
心房中隔欠損
先天性心疾患の中で比較的多くみられる病気です。この病気では、右心房と左心房の間にある壁(心房中隔)に穴が開いています。肺から左心房へ戻った血液が、穴を通って右心房、右心室へと流れることで、通常よりも肺への血流が増加します。また、右心房、右心室の負担が増加することで、通常よりも拡大し、心不全や不整脈の原因となります。
心房中隔欠損は子どもの頃は症状が目立たず、健康診断などで初めてみつかることもあります。治療としては手術による閉鎖や、形態によってはカテーテル治療での閉鎖が行われています。
動脈管開存
動脈管開存とは、生後間もなく閉じるはずの“動脈管”とよばれる血管が、閉じずに残る病気です。
母親の胎内にいる赤ちゃん(胎児)は母親の胎盤から酸素の供給を受け、自身の肺では呼吸を行わないため、肺に血液を多く送り込む必要がありません。そのため、肺動脈と大動脈が動脈管でつながり血液の抜け道をつくることで、肺への血流量を調整しています。出生後は呼吸による血液中の酸素濃度上昇と、胎盤からの動脈管開存物質(プロスタグランディン)の供給が途切れることで動脈管は速やかに自然閉鎖します。動脈管開存では、この動脈管が閉じず、大動脈から肺動脈への血流量が増加して左心房や左心室の負担が増加します。
早く生まれたお子さん(早産児)や、小さく生まれたお子さん(低出生体重児)では動脈管を自然閉鎖する機能が弱いため、動脈管開存が残りやすく、また、脳や全身への血液供給も減少します。治療は、早産児では薬物治療により動脈管が閉鎖することもありますが、効果がない場合や、全身状態が不安定な場合は、カテーテル治療や手術が必要となります。
大動脈縮窄、大動脈弓離断
大動脈が心臓から出て手や脳に向かう動脈の周囲(大動脈弓部、大動脈峡部)で狭くなる(縮窄)、あるいは途切れる(離断)病気です。これらの病気は単独で生じることもありますが、ほかの心臓の病気と合併することも多くあります。
この病気では、胎児期には上述の動脈管がバイパス血管として下半身の血流を維持してくれますが、生後動脈管の閉鎖に伴い下半身への血流障害が生じ、重症のお子さんではショックに至ります。一方狭窄が軽度であれば、生後すぐには症状が出ないこともあります。
治療は、主に手術で狭窄・途絶前後の血管同士を吻合し、狭窄のない大動脈を作成します。加えて、心内の病気を伴っている場合はそちらも修復します。
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