検査・診断
診断は問診によるレイノー現象の有無、身体診察による手指腫脹、手指潰瘍、皮膚硬化や爪の付け根部分(爪郭)の血管の評価により行います。また、全身性強皮症の患者が高い確率で陽性となる自己抗体(抗Scl-70/トポイソメラーゼⅠ抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体、抗セントロメア抗体)を調べるため、血液を用いて自己抗体検査も行います。皮膚硬化が現れるほかの病気を疑う所見がなければ、全身性強皮症の診断に皮膚生検は不要です。
さらに、全身性強皮症では臓器にも病変が生じることから、その部位に応じた検査も必要です。検査内容としては、たとえば間質性肺疾患の場合は胸部CT検査、呼吸機能検査など、肺高血圧症では心臓エコー検査など、逆流性食道炎では上部消化管内視鏡検査、食道内圧測定などを行います。
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【第119回日本内科学会レポート】膠原病における間質性肺疾患(ILD)診断・治療のポイント――全身性強皮症や多発性筋炎/皮膚筋炎での特徴とは(6800字)
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【第120回皮膚科学会レポート】皮膚と多臓器病変をつなぐ:全身性強皮症(2600字)
全身性強皮症は、皮膚および内臓諸臓器の線維化と血管障害を特徴とする全身性の自己免疫疾患である。東京大学大学院医学系研究科・医学部 皮膚科学 准教授の浅野 善英氏は、第120回日本皮膚科学会総会(2021年6月10~13日)で行われた会頭特別企画1の中で、臓器横断的な基本病態と各臓器に特異的な修飾因子
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