治療
現在のところ、全身性強皮症を完全に治す薬はないため、進行を抑えたり症状を軽くしたりする治療を行います。
進行を抑える治療は、悪化が予測される場合に早期に行うことが重要です。具体的には、びまん皮膚硬化型の皮膚硬化や間質性肺疾患の進行を抑えるために、免疫抑制薬や抗線維薬を用います。
症状を軽くする治療としては主に以下が挙げられますが、個々の患者で障害される臓器や病気の進行の早さは異なるため、患者ごとに個別の治療を行います。
- 肺高血圧症……肺血管拡張薬を使用
- 逆流性食道炎……プロトンポンプ阻害薬を使用
- 腎クリーゼ……アンジオテンシン変換酵素阻害薬を使用
- レイノー現象などの末梢循環障害……カルシウム拮抗薬を使用
- 手指潰瘍の予防……ボセンタン水和物を使用
なお、ほかの膠原病で有効なステロイドは、全身性強皮症においては効果が乏しいといわれています。現在、新しい薬の研究が世界中で行われており、より高い効果が期待できる治療法の開発が進められています。
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