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全身性強皮症
全身性強皮症(ぜんしんせいきょうひしょう)(SSc)とは膠原病(こうげんびょう)のひとつで、皮膚や内臓の硬化あるいは線維化が引き起こされる病気です。皮膚や肺、腎臓など全身にわたって症状があらわれ...
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皮膚
更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
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概要

全身性強皮症(ぜんしんせいきょうひしょう)(SSc)とは膠原病(こうげんびょう)のひとつで、皮膚や内臓の硬化あるいは線維化が引き起こされる病気です。皮膚や肺、腎臓など全身にわたって症状があらわれます。名前が似ている病気に限局性強皮症(げんきょくせいきょうひしょう)があります。限局性強皮症は、皮膚とその下部の筋肉が侵される病気です。

全身性強皮症はさらに病型によって、びまん皮膚硬化型全身性強皮症と限局皮膚硬化型全身性強皮症に分類されます。前者は皮膚硬化や臓器病変、逆流性食道炎などがおこり、発症から5~6年以内に進行することが多いといわれています。後者は比較的軽症で、皮膚硬化は進行しますが、進行は非常に緩やかです。後者は、限局性強皮症と混同されやすいため、どのタイプの強皮症であるかを正確に理解することが大切です。日本では、全身性強皮症の患者さんは2万人以上いると推定されています。女性に圧倒的に多く認められる病気で、30~50歳代の女性に多く認められます。

原因

全身性強皮症の原因は、現在のところは解明されていません。しかし、線維芽細胞の活性化、血管障害、免疫異常という3つの異常が原因に深く関与していると考えられています。線維芽細胞は、皮膚などでコラーゲンという成分を合成している細胞のことです。全身性強皮症ではこの線維芽細胞が活性化している状態、つまりコラーゲンの合成が高まっていることがわかっています。その結果、皮膚硬化や肺線維症が引き起こされます。

また、レイノー症状や指先の潰瘍(かいよう)の原因となる血管障害では、血管の壁をおおっている血管内皮細胞を障害する因子が患者さんの血液中でみつかったという報告があり、血管障害の原因のひとつではないかと考えられています。さらに、全身性強皮症の患者さんでは大部分の方で自己抗体が認められることから、何らかの免疫異常が背景に存在していると想定されます。また、全身性強皮症は特定の遺伝子異常で発症する病気ではなく、遺伝する病気ではないと考えられています。

症状

全身性強皮症の患者さんでは、レイノー症状をはじめとして、皮膚、関節、消化器、肺、腎臓、心臓など体のさまざまな部分に多様な症状がみられます。

レイノー症状とは、冷たいものに触れると手指が蒼白〜紫色になる症状で、冬に多くみられます。全身性強皮症の初発症状では頻度が高く、大部分の方にレイノー症状がみられます。また、全身性強皮症の患者さんで多くみられる症状のひとつに皮膚症状があます。

皮膚硬化の典型例では、手指の腫れぼったい感じからはじまり、その後、手背、前腕、上腕、躯幹(くかん)(頭や手足を除いた胴体部分のこと)と徐々に体の中心部分に皮膚硬化が進んでいきます。しかし、すべての患者さんで皮膚硬化が躯幹まで進行するわけではありません。

このほか、皮膚の色素異常や指先や関節背面に潰瘍ができることがあります。皮膚症状以外にみられる一般的な症状としては、肺線維症、強皮症腎クリーゼ、逆流性食道炎、関節の痛みなどがあります。しかし、すべての症状が一人の患者さんにみられるというわけではなく、個人によってその組み合わせは異なります。

検査・診断

全身性強皮症は全身のいろいろな箇所に多様な症状があらわれるため、全身を検査し、各臓器の活動性や病気の程度を確認することが重要です。

全身性強皮症の重要な検査のひとつに、自己抗体の種類を調べる検査があります。特に全身性強皮症の場合、自己抗体の種類と病状の関連性が強いことが知られています。限局皮膚硬化型全身性強皮症の患者さんでは、抗セントロメア抗体がみられることがあります。症状は比較的軽症ですが、逆流性食道炎や肺高血圧症があらわれる例もあるため、さらなる検査や治療が必要となります。

びまん皮膚硬化型全身性強皮症の患者さんで検出することの多い自己抗体では、抗トポイソメラーゼⅠ(Scl-70)抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体、抗U1RNP抗体があります。

抗トポイソメラーゼⅠ(Scl-70)抗体は全身性強皮症の約30%の患者さんが陽性を示し、その内60~70%の患者さんに肺線維症ならびに皮膚硬化がみられます。抗RNAポリメラーゼ抗体が陽性の患者さんでは、皮膚硬化はみられますが肺線維症は少なく、予後は比較的よいといわれています。しかし、陽性の方のうち約10%が強皮症腎クリーゼを合併します。自己抗体を調べる検査の他、血液検査、尿検査、皮膚生検、CT検査、MRI検査など、さまざまな検査が行われることがあります。

治療

2018年現在、全身性強皮症を根治させる治療法はありません。しかし、新しい薬の研究が進んでおり、治療の選択肢も増えてきています。全身性強皮症の症状は患者さんによって異なるため、治療もまた患者さん個人の病態にあわせて選択されます。

代表的な治療法では、皮膚硬化に対して副腎皮質ステロイド、肺線維症に対して免疫抑制剤 (シクロフォスファミド)、指先の潰瘍に対して血管拡張薬 (ポンセタン)、逆流性食道炎に対してプロトンポンプ阻害薬、強皮症腎クリーゼに対してはACE阻害薬が用いられます。全身性強皮症の患者さんでは、発症から5~6年の間に主な症状があらわれることが多いため、最初の5~6年はしっかりと治療を行い、病態を悪化させないように治療に取り組むことが重要です。

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