とうそう

凍瘡

同義語
しもやけ
最終更新日:
2024年07月30日
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2024/07/30
更新しました
2017/04/25
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医師の方へ

概要

凍瘡(とうそう)とは、寒冷環境により血流異常が生じ、体の末端部の皮膚に赤みや腫れ、かゆみなどの症状を引き起こす病気です。一般的に“しもやけ”として知られています。

寒暖差により毛細血管の血流が滞ると、皮膚の一部が赤紫色に変色し、かゆみや腫れなどの症状が現れます。主に手足の指先、手の甲、足の裏、耳、頬、鼻など血流が乏しくなりやすい部位に発症します。

凍瘡は、気温が5℃前後で1日の温度差が10℃以上のときに起こりやすく、冬の始めや終わり頃によくみられます。年齢を問わず発症しますが、特に子どもに多くみられる傾向があります。大人でも定期的に症状を繰り返す人がいます。

凍瘡の治療では、寒さの刺激を避けることが重要です。外出時には身体全体を冷やさないように対策を行います。特に凍瘡ができやすい部位は重点的に防寒し、手袋や厚手の靴下、耳当てなどを活用するとよいでしょう。症状が続く場合は血流を改善する内服薬や外用薬などを用いた薬物療法が行われます。

そのほか、内科的疾患である全身性エリテマトーデスサルコイドーシスなど凍瘡に似た症状から確定診断される病気も知られています。毎年凍瘡になる人や暖かい季節になっても凍瘡のような症状がみられる場合は、一度病院を受診しましょう。

原因

凍瘡は主に寒さの刺激を繰り返し受けることによって生じるといわれています。

人体は寒い環境では血管を収縮させ、暖かい環境では拡張させることで体温を調節しています。急激な寒暖差にさらされ続けると、この血管の収縮・拡張が頻繁に繰り返され、血流障害を引き起こして、皮膚の炎症につながります。これが凍瘡の発症につながると考えられています。

また、手足が濡れた状態のままでいたり、蒸れた靴下や手袋を長時間着用していたりすると、水分が蒸発するときに皮膚が冷えてしまい、凍瘡が生じやすいといわれています。

そのほか、遺伝的な要因で凍瘡にかかりやすい人がいることも分かってきています。

症状

凍瘡の主な症状は、皮膚の赤みや腫れ、かゆみや痛みです。特に手足の指先や鼻先、耳たぶなど体の中でも末端に存在する部位に発症します。

凍瘡の症状が生じやすいのは、寒暖差がある環境にいる(いた)場合です。そのため、お風呂に入った後や眠る前など体が急に温まったときにも症状が現れることがあります。また、悪化すると患部に水ぶくれや傷がえぐれたような潰瘍(かいよう)が生じ、そこから細菌感染が生じることもあるため、注意が必要です。通常は気温が上がると症状は自然に改善します。

凍瘡の腫れ方は大きく次の2種類に分けられます。

  • 樽柿型(たるがきがた)(T型)……患部全体が変色と腫れをきたす状態です。特に子どもに多いといわれています。
  • 多形紅斑型(たけいこうはんがた)(M型)……皮膚のところどころに赤みのある腫れが複数生じる状態です。特に大人に多くみられるといわれています。

ただし、T型とM型の中間のような症状を示す場合もあります。

検査・診断

凍瘡が疑われる症状があった場合、まずは問診や視診などで患者の抱えている症状を把握します。また、該当する症状を繰り返している場合は、凍瘡に似た症状が現れる病気を考えて血液検査や皮膚生検などの検査を行うことがあります。凍瘡に似た症状を示す病気としては、主に以下のようなものが挙げられます。

自己免疫疾患・血流障害

湿疹病変

感染症

など

治療

凍瘡の症状が軽い場合は保温で改善することもあります。症状が続く場合は、主にビタミンEの内服薬や外用薬による薬物療法が行われます。通常は季節の移り変わりとともに、自然に治癒します。

保温

寒いときは防寒着やカイロなどを使用して、できる限り保温に努めましょう。手足が濡れたままでいたり、汗をかいたりした後は急激に体温が下がり、凍瘡が生じやすくなります。濡れた場合はすぐに水分を拭き取り、必要に応じて衣服を着替えるなどの対応をすることが大切です。

薬物療法

主に血行を改善するビタミンEのぬり薬を患部に塗布します。症状を繰り返す場合は予防としてビタミンEの内服薬が処方されることもあります。そのほか症状に応じて、保湿薬やかゆみを抑えるステロイド、冷えや血流を改善する漢方薬などを用います。水ぶくれや傷が生じるような重い凍瘡の場合、自己免疫疾患など全身疾患を伴う場合は、血管拡張薬が処方されたり点滴が行われたりします。

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