原因
切れ痔とは、便の排泄の際などに歯状線と肛門皮膚の間に存在する上皮が裂けて、傷ついた状態を指します。上述のように便秘、硬い便、下痢など、便の性状や排便習慣により生じるものが多いのです。そのほか海外の文献では、内肛門括約筋の締りが強い場合には、肛門部位の血流が悪くなり切れ痔が発生すると報告されています。
また、クローン病と呼ばれる炎症性腸疾患では、炎症が肛門管部(肛門皮膚から2cm口側の歯状線までの部位)に生じることがあり、クローン病に特有の深い、縦長の切れ痔が生じることもあります。
肛門上皮(皮の部分)に傷がつくことは決してまれではなく、多くの方が経験されることです。しかし、排便習慣の異常が持続して慢性的に肛門上皮への障害が繰り返されると、傷が完治しづらくなるばかりでなく切れ痔の形や深さが変化して潰瘍の形態になります。肛門の出口が狭くなったり、肛門ポリープや見張りいぼを合併したりする慢性裂肛(慢性の切れ痔)へと悪化します。
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