クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Noimage s500x350
前期破水
陣痛が起こる前(分娩開始前)に卵膜が破れ、羊水が流出したものを前期破水(PROM)といいます。 前期破水は、妊娠37週未満(早産)のpreterm PROMと妊娠37週以降(正期産)のterm ...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました

前期破水ぜんきはすい

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

陣痛が起こる前(分娩開始前)に卵膜が破れ、羊水が流出したものを前期破水(PROM)といいます。 前期破水は、妊娠37週未満(早産)のpreterm PROMと妊娠37週以降(正期産)のterm PROMに分けられます。

原因

破水は、分娩が始まって子宮の出口が開ききったときに起こる(適時破水)ものですが、妊娠中に子宮内の感染や子宮内の圧が上昇することによって引き起こされるのが前期破水です。

妊娠中に腟炎など感染が、子宮口から子宮内部に波及し絨毛膜(胎盤の膜)羊膜(胎児を包む膜)炎を発症すると、卵膜が脆くなり前期破水を起こします。

羊水過多や多胎妊娠(双子・三つ子など)は子宮内圧が慢性的に上昇している状態であり、前期破水の原因となります。切迫早産・満期妊娠(妊娠37週以降)の子宮収縮は、慢性的もしくは子宮収縮にともなう子宮内圧の上昇により前期破水が起こることがあります。子宮の奇形は、子宮の増大を阻害することにより、子宮内圧の上昇をきたし前期破水に至ることがあります。

そのほかの原因として、羊水検査の合併症による破水が挙げられます。

症状

羊水が腟を伝わって外に流れ出る感じを破水感として自覚しますが、流出量が少ない場合は水様性帯下(水っぽいおりもの)として自覚されることもあります。前期破水後、腟からの上行性感染が重症化すると、膿性帯下(膿のような悪臭を伴うおりもの)の増量や発熱を認めることがあります。
 

検査・診断

腟鏡診を行い、外子宮口(子宮の出口)より羊水が持続的に流出することを確認します。

満期の破水を診断する際に、もっとも一般的に用いられる方法はBTB試験紙法です。正常の腟内は弱酸性(pH4.5~6.0)で、羊水は中性から弱アルカリ性(pH7.0~8.5)です。BTB試験紙が青変(青く変色)することにより、羊水流出による腟内のpHの変化を確認します。ただし、血液・精液・薬剤などの影響による偽陽性の場合も少なからずあるため、診断には注意を要します。

37週未満(早産期)に発症する前期破水の診断には、羊水中の成分を検出する生化学検査が行われます。主に羊水中に存在し、腟内分泌には含まれないα-フェトプロテイン(AFP)、インスリン様成長因子結合蛋白-1(IGFBP-1)、癌胎児性フィブロネクチン(fFN)などを検出する方法です。

治療

妊娠37週以降では、まずは自然に陣痛が発来するのを待ちます。妊娠37週以降の前期破水では、大半が2 4時間以内に陣痛発来するといわれています。陣痛がなかなかおきない場合は、絨毛膜羊膜炎への進展が懸念されるので分娩誘発が望ましいと考えられています。早産期の前期破水であるpreterm PROMは、破水した妊娠週数によって管理が異なります。

妊娠34週以降37週未満の場合には、胎児は十分成熟しており胎外生活に適応できるので、正期産(妊娠37週以降)と同様の管理を行うことが多いです。施設によっては子宮収縮抑制を行い妊娠期間延長を計ることもあります。

妊娠34週未満の場合には、胎児の成熟を待つために、感染を疑う症状・検査結果がなく、胎児の状態が安定していれば、待機して妊娠期間の延長を図ることが多いです。抗菌薬を7~10日間、母体に投与することは母児感染のリスクを減らすことに有効です。何れの週数でも、子宮内感染(絨毛膜羊膜炎)が疑われる場合は早期娩出(分娩)を考慮します。1週間以内に分娩すると予想される妊娠34週未満の妊婦には、胎児の肺成熟や頭蓋内出血の予防を目的としてベタメタゾン(副腎皮質ステロイドホルモン)を投与します。

分娩のタイミングは母児にとってなるべくいい時期を選ぶ必要があるため、産科だけではなく出生後の赤ちゃんを管理する小児科との話し合いも重要となります。