検査・診断
前立腺がんが疑われる際は、次のような検査が行われます。
血液検査
前立腺がんを発症しているか否かを調べるには、血液中の“PSA(前立腺特異抗原)”濃度の測定が有用です。
PSAは前立腺がんのいわゆる“腫瘍マーカー”と呼ばれる物質です。がんや炎症によりPSAは増加しますが、高値でも必ずしも前立腺がんではありません。前立腺炎や前立腺肥大症といったほかの病気でもPSAが増加することもあります。
画像検査
前立腺の状態を調べるために、肛門に超音波の機器を挿入して直腸から前立腺を描出する経直腸的前立腺超音波検査や、MRI検査を行います。
前立腺がんがリンパ節や骨、臓器などに転移しているかを確認するためにCTや骨シンチ検査などを行います。
前立腺生検
前立腺がんの確定診断に必須となる検査です。肛門から特殊な器具を挿入して前立腺、または陰嚢と肛門の間にあたる部分(会陰部)から針を刺して前立腺組織を採取します。採取した組織を顕微鏡で詳しく調べ、がん細胞の有無を確認します。
近年では、画像を見ながら組織の採取ができる“MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検”という方法も登場し、がんの検出率を高め、正確な悪性度の診断ができるようになっています。
医師の方へ
Medical Note Expertでしか読めない、学会や医局の最新医療知見を得ることができます。
【第109回日本泌尿器科学会レポート】前立腺がんの予後予測因子――予後不良群への治療選択は?(3200字)
前立腺がんでは、標準治療に対して抵抗性を示す患者が一定数いるのが現状だ。しかし、標準治療が奏効するか否かの予後予測や、予後予測に基づいた治療選択の基準となる因子は明確になっていない。治療成績を向上させるために、我々が臨床現場で活用できる予後予測因子はあるのだろうか。名古屋大学大学院医学系研究科 泌尿
【第109回日本泌尿器科学会レポート】mCRPCに対する薬剤の選択基準(3600字)
現在mCRPC(転移性去勢抵抗性前立腺がん)に対する化学療法は、多くの薬剤や投与方法の誕生により複雑化している。薬剤の選択や切り替えの判断に悩むケースは多いのではないだろうか。永田 政義氏(順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学 准教授)は、第109回日本泌尿器科学会総会(2021年12月7日~1
【第109回日本泌尿器科学会レポート】腎移植後の前立腺がんや尿路上皮がんの発症とその治療(2300字)
腎移植の長期成績が向上し、通常とほぼ変わらない生活を送る患者が増えている。その一方で、免疫抑制療法の副作用により、移植後の発がん率の増加が懸念されている。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 泌尿器病態学 准教授の荒木 元朗氏は第109回日本泌尿器科学会総会(2021年12月7~10日・パシフィコ横浜)
「前立腺がん」を登録すると、新着の情報をお知らせします