治療
去勢抵抗性前立腺がんの治療は、一般的にアパルタミドやダロルタミド、エンザルタミドなどの新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬(ARSI)、ドセタキセルなどの細胞障害性抗がん薬を用います。このようなARSIや細胞障害性抗がん薬を単独もしくは組み合わせて治療を行っていきます。
骨のみの転移であれば、ラジウム 223(223Ra)といった放射性同位元素を用いた全身療法も適応となります。
BRCA遺伝子*変異を持つ患者にはオラパリブやタラゾパリブなどのPARP阻害薬を使用することもあります。
骨転移に対しては骨修飾薬などの薬を注射して治療を行います。また、前立腺や転移部位の症状を抑えるために放射線療法を行うこともあります。
また、米国では去勢抵抗性前立腺がんに対する新しい診断や治療方法が導入されています。具体的には、ガリウム68(68Ga)やルテチウム177(177Lu)といった放射性同位元素を使用する方法が実施されており、既存の治療に抵抗性を示す去勢抵抗性前立腺がんに対する有望な選択肢として注目を集めています。
*BRCA遺伝子:DNAの修復に関与する遺伝子であり、この遺伝子に変異がある男性は、一般的な男性に比べて前立腺がんを発症するリスクが高く、進行も早いと報告されている。前立腺がん以外にも乳がん、卵巣がん、膵臓(すいぞう)がん、皮膚がんなどさまざまな診療科に関わる遺伝子とされている。
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