治療
嚥下障害の治療は、嚥下機能を維持・向上させることを目的としたものと、肺炎や低栄養を防ぎ全身状態を維持することを目的としたものに分けることができます。どちらも大切であり、並行して進めていきます。
嚥下機能の維持・向上のための治療
嚥下機能を維持・向上させるためにまず行う治療は、リハビリテーション(嚥下訓練)です。嚥下障害に対するリハビリテーションは、食べ物を用いずに行う“間接訓練”と、食べ物を用いて行う“直接訓練”があります。
訓練を続けても改善が乏しい場合は、食べ物が咽頭を通過しやすくする“嚥下機能改善手術”が検討されます。
間接訓練
間接訓練は基礎訓練とも呼ばれ、嚥下にかかわる器官の動きを改善させることを目的に行います。舌や首(頸部)をリラックスさせる“嚥下体操”、嚥下に関連する器官の筋力を鍛える“頭部挙上訓練”、寒冷刺激により嚥下反射が起こりやすくする”氷なめ訓練“、誤嚥したものや痰を吐き出す力を強める“呼吸負荷トレーニング”など、多くの訓練法があります。嚥下障害の部位や状態に応じて選択して行います。
直接訓練
直接訓練は摂食訓練とも呼ばれ、実際に食べ物を用いることにより嚥下運動全体の適切なバランスを習得することを目的に行います。嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査で誤嚥しにくい姿勢や食べ物の形態・量を確認し、医療スタッフとともに反復して実施し自立を目指します。
誤嚥・栄養障害の予防のための治療
嚥下障害の程度が軽度の場合は、食べ物の形や硬さ(粘度)を工夫することで誤嚥の予防効果が期待できます。どのような食べ物が飲み込みやすいかは嚥下の状態によって異なるものの、一般的に水分にはとろみを付けることが有効な場合が多いです。
栄養が十分にとれなくなると免疫機能が低下して、誤嚥性肺炎などの感染症になりやすくなります。口から食べるだけでは十分な栄養がとれない場合は、チューブを鼻から胃まで入れたり(経鼻胃管)、腹部に小さい穴を開けて胃に直接栄養を入れる胃ろうを造ったりして栄養剤を注入します。胃腸が十分に働かない場合は、高カロリー輸液を点滴するなどの栄養療法が行われることもあります。粘膜の感覚を改善させたり、唾液や食べ物に含まれる細菌を減らしたりするために、口の中をきれいにすることも重要です。
重度の嚥下障害で唾液が常に気管に入ってしまう状態では、気道と食道を分離させる“嚥下防止手術”が検討されます。誤嚥防止手術を行うと発声ができなくなりますが、痰の吸引が減り、口から食べられる可能性があります。
実績のある医師
周辺で嚥下障害の実績がある医師
昭和大学江東豊洲病院 耳鼻咽喉科 教授
内科、アレルギー科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、腫瘍内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科
東京都江東区豊洲5丁目1-38
東京メトロ有楽町線「豊洲」6b出口 徒歩6分、ゆりかもめ「豊洲」南出口 徒歩6分、東京メトロ東西線「東陽町」都営バス 昭和大学江東豊洲病院前下車 徒歩約1分 バス
国立国際医療研究センター病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 診療科長、耳鼻咽喉科・頭頸部外科 医長、音声・嚥下センター長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
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