へんけいせいせきついしょう

変形性脊椎症

最終更新日:
2025年02月28日
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2025/02/28
更新しました
2017/04/25
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概要

変形性脊椎症とは、主に加齢に伴って椎骨(ついこつ)と椎骨の間にある椎間板(ついかんばん)椎間関節(ついかんかんせつ)が変性し、痛みなどが生じる病気です。

脊柱(背骨)は椎骨で構成され、この椎骨は部位によって頚椎(けいつい)胸椎(きょうつい)腰椎(ようつい)仙椎(せんつい)尾椎(びつい)と呼ばれます。変形性脊椎症は頚椎や腰椎に発症しやすく、頚椎に発症したものは変形性頚椎症、腰椎に発症したものは変形性腰椎症といいます。

椎間板は水分を多く含み、外部からの衝撃を和らげるクッションとしてのはたらきを持ちます。加齢などによってこの椎間板が変性し水分が失われると、椎骨の間隔が狭くなり、痛みや可動域の制限などの症状がみられます。

また、椎骨の後方部分には脊髄(せきずい)(脳からつながる神経)が通る脊柱管があります。変形性脊椎症が進行すると、脊髄や脊髄からのびる神経根が圧迫されて痛みやしびれ、筋力低下などの神経症状がみられようになります。このように脊柱管を圧迫して神経症状を発症すると脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と呼ばれます。

原因

変形性脊椎症の主な原因は、加齢による椎間板と椎間関節の変性です。中高年以降は誰しもが変形性脊椎症を発症する可能性があり、特に40歳以上の肉体労働をしている男性によくみられます。

症状

変形性脊椎症では、軽症の場合には自覚症状がないケースもありますが、椎間板の変性により椎骨の間隔が狭くなると患部に痛みが生じたり、関節の可動域が制限されたりするなどの症状が現れます。そのほか、痛みから腰の曲げ伸ばしが困難になることもあります。

また、進行すると変性した椎間板が脊髄や神経根を圧迫し、神経症状を生じることがあります。具体的には、頚椎症なら肩から腕にかけてのしびれや指先の動かしにくさなどです。腕や足の筋力低下や歩行障害、膀胱直腸障害(尿や便が出しにくくなる)などがみられることもあります。

さらに、腰椎では椎間板が変性して脊柱管(脊髄の通り道)が狭くなると、脊柱管狭窄症を発症することもあります。腰部脊柱管狭窄症では、神経症状に加え、間欠跛行(かんけつはこう)*がみられます。

*間欠跛行:立ったり歩いたりすると脚に痛みやしびれを生じ、少し休憩することで症状が改善され、再び歩けるようになること。

検査・診断

変形性脊椎症が疑われる場合には、X線検査を行います。神経症状がみられる場合や脊柱管狭窄症の可能性がある場合は、MRI検査も行います。

治療

変形性脊椎症では、無症状の場合には治療は行わず経過観察を行います。患部の痛みや関節の可動域制限がある場合には保存療法が行われ、神経症状がみられる場合には手術療法も検討されます。

保存療法

患部の痛みや可動域制限がある場合には、コルセットなどを用いて患部の安静を保ったり、理学療法による腰痛体操や、シルバーカーや杖を使用した歩行訓練などを行ったりします。また、痛みの程度に応じて痛み止めなどの内服や、ブロック注射を行うこともあります。

手術療法

保存療法で症状の改善がみられず、日常生活に支障をきたしている場合や、歩行障害、膀胱直腸障害などが現れている場合には手術を検討します。

手術には神経を圧迫している組織を取り除く方法などがあり、全身麻酔で行われます。近年では内視鏡を用いた低侵襲(ていしんしゅう)(体への負担が少ない)手術も行われています。

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