原因
急性胃腸炎には、ウイルスや細菌、寄生虫などに感染することによって生じる“感染性胃腸炎”と、それ以外の原因によって生じる“非感染性胃腸炎”があります。
感染性胃腸炎
急性胃腸炎の中でも頻度が高く、食品や水、人、動物、その糞便などを介して、ウイルス・細菌・寄生虫などに感染することによって生じます。特に食品を介して複数の患者が集団発生した場合を“食中毒”ということもあります。
感染性胃腸炎の原因となるウイルス・細菌・寄生虫は複数あり、それぞれ症状や治療方法が異なる場合があります。
ウイルスによる感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の原因ウイルスとしては、ノロウイルスやロタウイルスなどが挙げられます。小児に多くみられ主に冬場に流行することが特徴です。
たとえば、ノロウイルスは二枚貝を生で食べた場合や感染者の調理した食品を食べた場合、感染者の嘔吐物や嘔吐時のウイルスを含んだ飛沫などに触れたり、乾燥した塵のようになったウイルスを吸い込んだりした場合などに感染することが分かっています。
細菌による感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の原因菌としては、サルモネラ菌やカンピロバクター菌などがあります。特に夏場にみられる傾向があります。
サルモネラ菌は牛肉・豚肉・鶏卵などに含まれ、カンピロバクター菌は鶏肉や豚肉などに含まれることが知られています。これらの食品を生、あるいは加熱不十分な状態で食べた場合などに感染することが一般的です。
寄生虫などによる感染性胃腸炎
寄生虫による感染性胃腸炎は比較的まれです。主な原因となる寄生虫には、クリプトスポリジウム、赤痢アメーバやアニサキスなどが挙げられます。
非感染性胃腸炎
細菌やウイルスなどへの感染以外の原因で起こる急性胃腸炎を“非感染性胃腸炎”といいます。
具体的な原因としては、食べ過ぎや飲み過ぎのほか、卵や牛乳などの食品に対して起こるアレルギー、中毒性のあるキノコや貝類などを食べることによる中毒、薬剤や放射線照射による胃腸炎などが挙げられます。
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