治療
更年期障害の治療では、生活習慣を整えることが重要です。運動を習慣化し、食事療法を行って過度の飲酒や喫煙は避け、規則正しい生活を心がけましょう。
そのうえで、更年期障害に有効とされている治療法として、いくつかの薬物療法があります。代表的な方法として、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、抗うつ薬などの治療法が挙げられます。
ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)
ホルモン補充療法(HRT)は、女性ホルモンを補うことで更年期障害の症状を改善させる方法です。さらに、長期的には骨粗鬆症や認知症の予防にも効果があることが分かっています。患者の状態に応じて、女性ホルモンの代表であるエストロゲンとプロゲステロンを組み合わせて投与するか、エストロゲン単独で投与されます。
薬剤には、飲み薬や貼り薬、塗り薬がありますが、薬剤によって副作用が生じるリスクもあるため、症状や状況を医師と相談しながら選択することが大切です。
HRTの方法には、さまざまなものがあります。開始年齢や実際の症状、子宮の有無、持病などによって使用する薬剤や量が選択されます。また、子宮体がんや乳がんを治療中の人、過去に乳がんの加療を受けた人、心筋梗塞、脳卒中、肝臓に重症な病気を患った人など、一部の人はHRTを実施できない場合があります。HRTの開始時期や継続期間、終了時期なども症状に合わせて医師と相談のうえ決めるのがよいでしょう。
治療を開始する場合や長期間継続する場合は、定期的に子宮がん検査や超音波検査などを受ける必要があります。
漢方薬
全体的な心と体のバランスを整えることを目的とした治療法です。処方される漢方薬は、体力の有無や症状などによって異なりますが、当帰芍薬散や加味逍遥散、桂枝茯苓丸が代表的です。
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